ちば民報レポート

保健室の子どもたち 8「死ぬ勇気」

養護教諭サークル中学校◇中学校 かあべぇ

  ちば民報 2014.3.16

あと3日で卒業する3年生。予餞会のステージのスクリーンに映し出された「思い出のアルバム」では、入学当時の笑顔は幼く、中学3年間の成長の大きさを思わずにはいられない。あの場面この場面と映し出される写真の中で、ふっと映った栄子(仮名)の顔にひきよせられた。

1年生の頃の無邪気な笑顔から、今は、笑顔を見ることができなくなっていたからだ。

栄子は、3年生の時、仲のよかった友達からの一言で傷つき、それから心を閉ざしていた。吹奏楽部で、コンサートメンバーから外され、落ち込んでいた時に何気なく口にした「死にたいよ…」のつぶやき。

「死ぬ勇気がないのに、死ぬって言わないでよ」と仲良しの友人に言われた一言。本当は、励まして欲しかったのに…。「死ぬ勇気がない」の文言に抵抗し、「死ぬ勇気はある」ところをみせようと、自殺を試みた。

卒業を前にした栄子から手紙をもらった。

「今まで本当にありがとうございました。私が学校に行かなくなって、どうしようと思っていた時、いきなり保健室に行っても、何も言わずに受け入れてくださって、本当にうれしかったです。
それから、いつ来てもいいよと言ってくれて安心して学校に行くことができました。3年の10月頃、私が死のうとしていた時に、命についていろいろ話してくださいました。その時は、先生から何を聞いても、心にひびかなかったけど、今思い出すととても心にひびきます。今も『あの時、死んでればよかった』『死にたい』と思うことがあるけど、『いつか生きていてよかった』と思いたいです。
中学3年間、たくさん先生に迷惑かけてしまったし、つらかったけど、先生に出会えてよかったです。本当にありがとうございました」

うれしい手紙だった。本当によかった。こちらこそ、うれしい手紙をありがとうと手紙を書いた。栄子の手紙は私の宝物だ。

高校は普通高校を選ばず、自分で探し通信制の高校を選んで受験した栄子。悩み苦しんだ分、成長した栄子には笑顔が本当に似合う。

3年間、保健室に毎日のように来た生徒もいるし、ほとんど来なかった生徒もいるが、かけがえのない自分の命を大切にして欲しいことは、どの子にも機会あるごとに伝えてきた。

一人ひとりの思いを胸に、今、旅たとうとしている生徒たち。どんな困難にも打ち勝つしなやかな心を持って生き抜いて欲しい。

卒業する子どもたちへ

どんなに生きることが 辛く 哀しくても
泣き顔をやめて 力強く 歩み続け 生き抜いていこうよ!
―幸多かれと祈る。
―3月に。

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