ちば民報レポート

保健室の子どもたち28 明日へのエネルギー

◇養護教諭サークル 小学校 湯ばあば

  ちば民報 2015.12.20

久しぶりに孫の保育園のお迎えを頼まれて、3歳の孫と手をつないで歩いた。師走に入ったというのに、道端に狂い咲きしているタンポポを2人でみつけた。孫は、すかさず歌をうたいだした。

 たんぽぽ たんぽぽ たんぽぽ
 きいろい たんぽぽ
 お空は 青いよ

自作詩・作曲のすてきな歌だ。母親、父親が聞いたら「うちの子天才?」と、親ばかちゃんりんの気持ちになって、仕事の疲れも吹っ飛んでしまうだろう。想像するだけでおもしろくて笑ってしまう。

子どもが待っているから早く帰ろうと思う。職場でどんな辛いことがあっても、子どもの顔をみたら、がんばろうと力がわいてきて、親も家庭で明日へのエネルギーをつくることができる。

私もそうだった。そんな若かりし頃のことを思い出した。年次有給休暇をとったものの、学校の子どものことは、いつでも脳裏をかすめていた。子どもと親の関係の深い悩みはたくさんある。

2年生の紀子は、体重が1学期と比べると8キロも減っている。紀子は、保健室にきては、他の子どもたちがいないところで、心配ごとを小出しに話し出す。

「お母さん、タバコ吸ってんだ。大丈夫かな?」「お母さん、家に帰って来ないで、パチンコやってんだ。パチンコやめられないみたい!」紀子の悩みは、母のこと。

紀子は、自分の体重が極端に減少したことなどを母に話せないでいる。私からお母さんに話してほしいことは、パチンコのこと、タバコのことだった。

保護者からの相談も舞い込んで来る。嫁いだ長女が子どもを引きとり離婚してしまった。応援しているが、何度もこれでもか、これでもかと、お金の援助を求めてくる。断るとけんかになってしまう。

たわいのないものが無くなる。小麦粉、冷蔵庫のキャベツ、買ったばかりの化粧品などと言う。こんどは、留守中に物がなくなると訴えてきた。鍵を持っているアパートの管理人さんに違いないといい、だから引越ししたいという。

「そんなはずはないよ。あると思っていて使ってしまったこともあるし、思い違いということもあるから」とアドバイスするが…。さらに、うちの長女は精神的に異常なのだろうか?と難しい相談が持ち込まれる。

親に経済的な依存をしている長女は、専門機関につないだ方がいいよと言ってあげようか。親子関係の問題は深く、それぞれが生きにくい社会だから、余計に問題は見えにくい。

幼子はどう育つだろうか。保護者の悩みにどう助言するか。

子どもは、親の精神状態をそのまま受けとめ、成長の過程でいろいろシグナルを出していることが多い。どの子どもも、自ら発達意欲を持っている。その発達を阻害してしまうことがらを、一つひとつ解決していきたい。発達の手助けを保健室から発信できたらいい。

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