ちば民報レポート

保健室の子どもたち32  希望と不安の新学期

◇養護教諭サークル 中学校 湯ばあば

  ちば民報 2016.5.22

桜も満開、笑顔も満開の入学式を迎えた。どの子も、目が、キラキラしていて希望に満ちあふれている。親の姿もここぞとばかりに華やいでいる。

「ご入学おめでとうございます」と胸に花を付けてもらい、緊張した表情の1年生。

迎える在校生も緊張している。それぞれ希望と不安でいっぱいの面持ちだ。
「クラス替えどうだった?大丈夫そう?」
「まだ分かんないけど、話せそうな人がいた」
「良かったね。後は、席替えだね…。どんな人が来るか分からないけど、あまり心配しない方がいいよ」
3学期にクラスの子とうまくいかなくなり、保健室登校していた真理(仮名、以下同)。不安気な顔をしている。

「こっちは、持ち上がりだから、我慢するしかないんだから、うらやましいよ」と3年の詩乃。

5月に修学旅行を控え、何とか教室に戻ろうとしている。教室に行けなかったため成績が下がり、高校受験がどうなるのか心配している。
「私の行ける高校ないかもしれない」
「大丈夫。先輩も心配していたけど、みんな受かったでしょう。後は、勉強するか、しないかの差だからね。自分の努力次第で変わるから、何とかなるよ」

「あの子は、どのクラスに入ったのかなぁ…」
 気になる生徒がいた。探してみて、胸をなでおろした。前の担任と一緒だったからだ。落ち着きがなく、じっとしていられなくて、近くの子にちょっかいを出しては叱られていた。そのたびごとに保健室に逃げて来ていた良太だ。

良太は、何だかんだ言いながら、うるさく注意してくれる担任のことを信頼していた。「本当に良かった」と胸を撫で下ろした。一年間大変だった生徒を再度受け持つのは、覚悟がいっただろう…。それを分かっていて、受け持ってくれた担任に感謝した。

4月の保健室は、1年生の受け入れの準備と、クラス替えに伴った健康管理票の移し変え、健康診断の計画に合わせた検査機器の点検と準備、保健調査等の配布と回収、食物アレルギーの調査と、子どもたちからは目に見えないけれど、ネコの手も借りたいほどの忙しさだ。

こうして新たな気持ちで、保健室もスタート。
「子どもたちが、安心して楽しい学校生活を送れるよう、どんな悩みや相談にも対応できるようにできたらいいな。保健室があって、本当に良かったと言われるように頑張るぞ!」

子どもたちの未来への希望を思い、決意をかためる新学期である。

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