ちば民報レポート

保健室の子どもたち37 おしゃべりが

◇養護教諭サークル 小学校 湯ばあば

ちば民報 2016.10.16

久しぶりの秋晴れ。10月2日六本木で、子どものためのジャズコンサートがあり、音楽の教師をしている娘と孫2人と出かけて楽しんだ。プロのミュージシャンと参加者が一緒に演奏できるプログラムがあった。「茶色の小びん」「Cジャムブルース」を娘は孫たちと、のりのりで演奏。ステージで演奏している子どもたちの顔も、秋の日に輝いて、お陽さまのスポットライトを浴びているようだった。お陽さまに子どもはよく似合う。

2年生に「わたしのおとうさん・おかあさん」のからだの学習をしたのは、きょうのように秋のさわやかな日であった。

2学期の発育測定をしたあと、健康カードに子どもたち自身が記録した身長と体重の数値に注目させ、4月と比べてみる作業をした。9月の身長から、4月の身長の引き算をしてみた。三桁の計算は難しいが、大きくなったことを数値で実感した。

発育測定のあとは、いつもからだの学習を組み入れた。2年生は、いのちのもとの話。おとうさんとおかあさんがいのちをつくってくれた話を絵本をつかって話した。目をまんまるくして聞いている子どもたち。

毎回こんなに真剣にかわいい目をして聞いてくれる子どもの顔がみたくで、教材研究を楽しんできた。

学習が終わって、日直の号令で「ありがとうございました」とあいさつが始まる寸前、めぐみが言った。「いまのお母さんから生まれてこなかった!」と。

担任は、何も言わずにめぐみを抱きかかえた。若いのにえらいなあと思った。その担任は夏休みの面談の折、母親の悩みに答えてあげることができないと、母親を保健室に向かわせた。「めぐみをかわいいと思えないのです」と切り出し、おしゃべりをした。

お風呂に一緒に入ってる?ごはんのときはどんなふう?一緒に寝ている?

たくさんおしゃべりしたが、ここだと思うものがない。「いつでも話したくなったら、おしゃべりに来てくださいね」と終わった。その後、道ばたでお会いしたとき、「先生、ありがとうございました。気持ちが軽くなりました」とあいさつしてくれた。

めぐみは母親の実の子どもでなかった。でも、かわいがろうとしてがんばっていた。でも心からかわいいと思うことができなかった。どうしていいのか悩んでいたのだ。

めぐみには、「めぐみの言葉で、お母さんの悩みわかったよ」。母親には、「かわいいと思えない時期があっていいんだよ」と、今だったら言ってあげられたのに。もう少し大きくなったら、いっしょにショッピングして洋服を選んでみたり、女同士の付き合いができる時期がくるかもしれない。

その後、めぐみに弟ができ、保健室でいつも弟の成長を教えてくれた。「お母さんが用事があるとき、弟を見ていてねというんだよ。弟ってかわいい」と教えてくれた。

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