ちば民報レポート

保健室の子どもたち38 ノロの対応は全体で

◇養護教諭サークル 中学校 かあべえ

ちば民報 2016.11.20

それは突然のことでした。「きょうは、6人欠席。今、3人具合悪くて、早退させようと思います」。朝の健康観察が終わってまもなく、保健室に担任から連絡が入ったのです。「症状はどんな感じですか?」「休んでいる生徒は、6人とも気持ち悪い、腹痛です」「早退させる生徒も同じ様な症状ですね」。

昨日は欠席ゼロだった学級が、今日は突然6人に。感染性胃腸炎(ノロウイルス感染症)の疑いがあると判断し、校長に連絡、相談し次の行動を考えました。

教育委員会発行の感染症発生時の対応マニュアルの内容を再度確認しました。「先生方への周知」「健康観察の徹底」「学校医へ連絡、助言指導を受ける」「教育委員会への報告」等。

検討の結果、該当のクラスは給食後に下校させ、明日の朝の部活も無しとしました。全職員への周知のため、打ち合わせを持ち、感染性胃腸炎(ノロウイルス感染症)と、嘔吐物の処理方法の資料を配布しました。また、該当学級にマスクを配布。生徒には「手洗い、うがい、教室の換気」を放送で呼びかけます。

打ち合わせ中にも具合の悪い生徒が次々と来室します。空き時間のある先生の協力を得て、症状がある生徒は早退させることとし、保護者への連絡は担任だけでなく、他学年の先生方にも協力してもらいました。

感染性胃腸炎の疑いの生徒発生の学級の早退者が、6人になった時点で、教育委員会経由で保健所に連絡がいき、対策会議がおこなわれることになりました。

保健所と教育委員会の訪問があり、「学校中を消毒する」「原因を確定する為に休んでいる生徒、早退した生徒への検便をおこなう」などの処置が図られました。

生徒が下校した後、全職員で学校の中を消毒しました。消毒は手作業で、塩素系の漂白剤(家庭用漂白剤ハイターなど)を薄めた液に浸した雑巾(タオル)で、生徒がさわりそうなところ、机の上、椅子、水道の蛇口、電気のスイッチ、ドアなどを拭いて歩きます。特にトイレは便器、ノブ、床も拭きました。

学校中の消毒は、発生数が減少するまで毎日おこないます。丁度、土日が重なり、学級閉鎖にはいたらなかったのですが、次々と来室する生徒の多さから、改めてノロウイルスの感染力の強さを認識させられました。

給食も手でちぎって食べることはいけないとの指導がはいり、フルーツの柿も、りんごも箸で刺して食べる。パンも袋入りになりました。

これからインフルエンザの流行する時期ですが、インフルエンザ流行時よりもさらに大変なのが、ノロウイルス感染症であることを実感しました。感染力の速さ、広がりの大きさと、次から次へと来室する生徒への対応の大変さ、機敏さ。一人の養護教諭のだけでなく、周りの職員の力を結集する必要さを学んだ事例でした。

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