ちば民報レポート

保健室の子どもたち40 学び、助けられて

◇養護教諭サークル 小学校 湯ばあば

ちば民報 2017.1.22

2017年新しい年おめでとう。

食卓に蝋梅の花を活けた。希望の色黄色の花。六年前の東日本大震災の被災者が希望を取り戻し生活を切り開くために、幸福の黄色いハンカチ(山田洋次監督の映画)のように、黄色の旗をなびかせる画面がテレビに映った。

デザイナー・アーティストの三宅一生は、被災地に出向き、被災者が生活者として希望を持って生きる色黄色をモチーフにデザインを思考した。

希望の色に、30年前に出会った5年生の女の子愛梨(仮名)を思い出す。愛梨の家は父子家庭。母は家を出て行った。愛梨と妹と父の三人暮らし。

ある日、愛梨は、心配そうな顔で保健室に来た。なかなかしゃべることができなかったが、時間が経って話したことは、生理中にタンポンを使って、取れなくなってしまったという。

2歳の子どもがいる私だって使ったことがなかったのだから、5年生の愛梨が使用したことが驚きであるし、なぜ使ったのか気になることであった。

タンポンの使い方は知っていたの?どうして使ってみたの?質問攻めをしてしまったことへの反省を思い出す。

私が取り除くことができれば取ってあげようと思うけれど、「大事な部分だから、先生に見せることができる?」と聞いてみる。了解してくれたものの、私はおそるおそる懐中電灯で見てみた。いや、取るのはやめよう。傷をつけてしまう恐れがあるし、内部がどうなっているのか診察が必要だと考えなおした。

そして、信頼をしていた産婦人科の医師の受診に連れて行った。結果は医師の診察を受けてよかった。炎症をおこしていたのだった。

治療もしていただき、タンポンを使う危険性なども話していただいた。からだを大事に診察をしていただいた上、診察料は、私に免じて受け取ってくれなかった。父親にはいきさつを話したが、

「母親出番の話は、先生に頼みます」と頭を下げられた。

中学生の友だちの話につられて、興味本位にタンポンを使ってみた愛梨の体験から、性の学習に取り入れなければならないことを、突きつけられた。子どもから学ばされ、そばにいる医師には助けられ、感謝の気持ちでいっぱいだ。

この正月、愛梨は、40歳にはなっているだろう。愛梨が「先生、おせちってつくる?」「私、食べたことがないんだ」といった言葉が鮮明に思い出される。40歳になったであろう愛梨は、おせち料理をつくっているであろうか?おせちを夫と子どもらと食べているだろうか?

蝋梅の希望の黄色に子どもらの幸せを願う。

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