ちば民報レポート

保健室の子どもたち44 成長の証

◇養護教諭サークル 小学校 湯ばあば

ちば民報 2017.5.21

緑の美しいさわやかな季節に入った。先日27歳になった、かつての子どもたちと会った。

ひょんなことに、平和君(仮名)と会う機会があった。平和君は、保育士になって、放課後等児童デイサービスの支援員として、障害の子どもの療育をする仕事をしている。

指示を明確にして、子どもが不安をもたずに、すごし方がわかって行動できるようにする姿は、すごいなあと感心する。

こだわりが強く出ている自閉症の子には、こだわりを別な場面に展開できるよう、言葉かけしながらからだを動かすことに誘ったりする。障害の子の対応の勉強もしているなあと、平和君の仕事ぶりに感動した。

「平和君、あなたが保育士になってくれて、本当にうれしいなあ。保育士の仕事に似合っているよね」と感動したことを伝えると、平和君は小学校時代のことを話しはじめた。

「先生、俺、五、六年のときの担任の岩石先生(仮名)に教えてもらったことが、保育士をめざしたことにつながっているんです。理科の実験や工作など楽しかった。教科書にないこといっぱい教えてくれたよね。俺も、ものづくりにすごく興味もって、小さい子どもに、なぜ?って考えて、どうしてできるんだろうと、そんなこと教えたいなあと思ったんです。

先生、俺、小学校五年のときに三番目の父ちゃんがきたんだよ。いやだから、そんなこと誰にも言いたくなかった。そしたら、岩石先生が、理科室に俺を呼んで、『こんど、若い父ちゃんが来たんだろう。大丈夫か?何か困ったことがあったら、早く先生に言ってくれ!』と言ってくれたんだよね。俺、ずっと岩石先生の言葉が忘れられなくて。いままでがんばってきたんです。結局三番目の父ちゃんも家を出て行ったんです。俺も給料もらえるようになって、家を出ました」と話してくれた。

ふるさとの九州に帰った岩石先生が上京することを、平和君に伝えると、急だったのに、七人も級友を集めてくれた。何十年ぶりだろう、私も便乗して岩石先生と会うことができたのだ。

身長180㎝以上の青年になった子どもたち。五月の空に泳ぐこいのぼりのように、生きる様が頼もしい。私は、この子どもたちと一年生の時から六年間一緒であった。六年間の成長振りを確かめて卒業させた学年である。ありありと小学校時代の集団を思い出すことができる。男の子六人の中に女の子一人が参加してくれた。 

なんと、被虐待児の真理ちゃん(仮名)。ナチュラルな化粧と笑顔で会いにきてくれたことは、今は元気だよという印だと受け止めた。

子どもたちの話は、教科書にない授業のこと、仮説実験など、電気釜でつくったパンがまたたべたいなあ…など。ビールを飲みながら盛り上がった。

<ページトップへ>