風物

いすみ市 ぽっぽの丘「ぽっぽ」大集合

(ちば民報 2013.2.3)

社長の村石さん

いすみ鉄道「国吉」駅の近くに「ぽっぽの丘」という観光施設があり、全国各地から集められたディーゼル車、電車、路面電車、地下鉄、寝台特急、貨物車、車掌車など15両が集められているという。代表の村石愛二さんにお話を伺った。

2009年いすみ鉄道の経営者が民間から応募された鳥塚さんに代わったとき、旧型車両の「いすみ204」がネットで210万円で売り出されている事を知った。その金額ならばトレーラーを使えば簡単に持って来ることができるだろうと考え、搬入することにした。ところが応札できたものの運搬費用と整地の費用で3倍もかかってしまった。

村石さんは鉄道オタクではない。しかし情報を張り巡らせていると銚子電鉄のデハ701が売りにだされるらしいという情報も入ってきた。これは銚子電気鉄道から無償譲渡された。この車両は電車の車検の費用を生み出すことができず、ファンが濡れ煎餅を売って資金募集して車検をクリアさせた曰く付きの車両だ。

そうこうしているうちに青函連絡船「羊蹄丸」の車両甲板の中に眠っていた、国鉄型ディーゼル機関車のDE10が行き先が決まっていないという情報が入ってきた。それは東京晴海の船の科学館に係留されていた羊蹄丸の中にあった。船が解体されるため愛媛に曳航されてから、30号機が積んであることが分かった。いったん愛媛に運ばれたものをまたトレーラーに積んで千葉までもってくるには、多額の費用を必要とした。

鉄道グッズ、鶏卵などの販売も

記者がもっとも気に入ったのは、貨物列車の最後部に連結されていた車掌専用車両だ。これはマニアが本納の民家の庭にボロボロになっているのを発見した。持ち主を探したところ横浜にお住まいだということがわかって手に入れた。しかし元の姿が分からないほど劣化していた。

それを知り合いの大工さんと塗装屋さんが見事に復活させてくれた。聞くとこの車掌車は、昭和28年GHQの命令で貨物の最後尾につけることが義務づけられたものだという。車両の内部にはストーブも見事なまでに設置されて、今にも石油を燃やすと身体が温まりそうである。

動態保存ではないが屋外に展示するには、塗装もしっかりしなければならない。それに山の中に展示してあることもあり、気温と突風で塗装が一晩のうちにはげてしまうこともある。地元の人たちに車両に興味をもってもらうため、本業だった鶏卵のつかみ取りや関連のグッズ販売も手がけている。

あの銚子が舞台になったドラマ『コーチ』の中で創作された「サバカレー」も、ここに来れば間違いなく手に入る。いすみ鉄道グッズも同様だ。いすみ鉄道の列車の中に鶏卵の販売コーナーがあり、カフェTKGには「卵かけごはん」のメニューもある。

村石さんは元々は鶏卵の生産をすると同時に肉牛の飼育を主になさっている方である。ところがリーマンショック以来飼料の価格は倍々に上がる。さらに3・11東日本大震災以来、メインの牛の価格は下がる一方。その一方飼料の放射能汚染が懸念され、国内の飼料は与えることができなくなってしまう。今まで通りのことをやっていたら生きていけないと、TPP参加への不安も募らせる。

「まだ入場料をいただけるまでの規模になっていない」と謙遜されるが、25日は朝から千葉都市モノレールの車両が運び込まれると目を輝かせて語っていた。

▼ぽっぽの丘☎0470(68)2631http://keiranbokujo.com

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