風物

橋梁変遷の「記念碑」鴨川市山生橋梁

ちば民報 2013.7.21

山生橋梁の遠望、橋脚が何本も並んで見える。

鴨川市のJR内房線にある「山生(やもめ)橋梁」が、2012年に土木学会の「選奨土木遺産」に選定(県内初)されたというので、訪れてみました。

JR内房線江見駅~太海駅の海岸線をまたぐように架かる山生橋梁は、1924年(大正13)の房総西線の延伸にあわせて建造された全長1647m、脚高最大11・2m、橋脚15本をもつ鉄道橋梁です。構造は鉄筋コンクリートT梁で、鉄道用としては国内初のものです。山生橋梁は、橋脚の一部は満潮時に浸水する厳しい自然環境下にあります。とくに塩害による鉄筋の腐食が心配されていましたが、一部鉄筋の発錆はありましたが今日まで(89年間)おおむね健全に推移してきました。これは入念な施工とメンテナンスが施されれば、こうした環境下でも長期間の使用に充分耐えうる鉄筋コンクリート構造物ができることを証明したのでした。

山生橋梁は、初期における鉄筋コンクリート構造物のなかでも比較的規模の大きいものとして、また形式的にも「アーチ」構造から「桁・梁」構造へと進化する記念碑的な意義をもつ構造物(選奨理由)です。また、鉄筋コンクリート構造物の長期耐久性を実証する貴重なものとなりました。

山生橋梁の海側には現在、国道128号線の「房総大橋」が平行して架けられています。国道の海側に手すりのない石階段があって、砂浜まで下ることができ、房総大橋をくぐって山生橋梁に近づくことができます。しかし取材当日は雨が降って危険だったため、石段を下ることを断念せざるを得ませんでした。

<ページトップへ>