実例が満載「生きる力の輪」

住宅扶助基準引き下げ

ちば民報 2015.6.14

厚生労働省が今年7月からの生活保護住宅扶助基準の引き下げを発表しました。引き下げによって、現在の家賃が基準を超えてしまう生活保護世帯が、44万世帯にのぼることが明らかになっています。

すでに、契約更新まで1年以上ある人に「基準より上回る家賃だから転居するように。この辺は家賃が高いからワンルームしかない」と言ったり、5月25日に生活保護申請をした人に、「家賃が4万2千円では、1人住まいの家賃限度額4万1千円を上回っている」などと、7月実施前から現場に持ち込まれています。そのため、現在の家賃が新基準を超える人や、高齢者・障害者など、多くの生活保護利用者から不安の声が上がっています。

千葉県生活と健康を守る会は、住宅扶助基準引き下げについて、①家賃が基準を超える場合、現在の住宅から「追い出し」が行われる。②新たに保護申請をする世帯は「基準」引き下げで決定から漏れる場合がある。③国保、介護の減免、保育料、就学援助など、住宅扶助が勘案されている場合は適用除外または減額となる。④公営住宅の入居基準、減免基準等に影響があるととらえています。そこで被保護者の実態と要望をつかみ、解決を図るため、当事者に「対策カード」を書いてもらうことにしました。

Sさん(男・55)1人住まい。現在4万6千円、改定家賃4万1千円、不足5千円、更新日27年8月、「今の状態を維持したい」「体調が悪く転居できない」。

Gさん(女・84)1人住まい。現在4万6千円、改定家賃4万1千円、不足5千円、更新日29年5月、「高齢なので貸してくれない」。

Sさん(女・38)4人の子と母子家庭。現在5万5千円、改定家賃5万3千円、不足2千円、更新日28年12月、「生活扶助が減らされ、家賃も下げられたら、どうやって暮らせというの」。こんな声が寄せられています。

住宅扶助基準引き下げについて厚生労働省は、経過措置や特別基準を設けて対処するとしています。転居指導に際しては、当事者の事情を十分配慮し、「限度額を相当に上回る家賃」で、「明らかに最低生活に支障があると認められた場合」に限定されるとしています。

今後の生活と健康を守る会の方向としては、自治体と交渉し、通院・通所・就労・就学・高齢者・障害者について特別基準や経過措置を適用させ、転居指導は、当事者の事情を十分に配慮するよう求めていきます。

また、新規に保護申請をする人が、排除されることがないよう、人権を守る取り組みが強く求められています。

<ページトップへ>