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「まとめ支給」の改善を

ちば民報 2015.2.14

1月20日、「銚子市事件」調査団として、厚生労働省に対して、生活保護の相談者に申請意志の確認を徹底すること、子どもがいる低所得者への公的手当は毎月支給とすることなどを要請しました。

「銚子市事件」の母親は、学校給食センターのパート調理員で、月々の収入は少ない上に、夏休みは仕事がないため、9月は給与収入ゼロでした。困窮する生活で県営住宅の家賃を滞納し、児童扶養手当が入った時に払っていました。生活保護に至らず、娘が中学に上がることで制服代などが必要になり、ヤミ金融からお金を借りてしまいました。困窮するひとり親家庭への公的手当は、4カ月分がまとめて支給され、生活費が足りないため、滞納や借金の穴埋めに使われるというなかで、事件は起きたのです。

厚労省要請に参加したKさんは5人の子の母子家庭で、生活保護を利用しています。児童扶養手当と児童手当、児童育成手当が支給されていますが、それらが各月に分割して収入認定され、生活保護費から差し引かれることを知りませんでした。

児童扶養手当が4カ月分まとめ支給された時に日常不足しているものに使ってしまったのです。しかし生活保護費は手当を月平均にして差引き支給されており、気が動転してしまいました。

Kさんはこうしたことにならないようにするため、手当の毎月支給を訴えたのです。厚労省の担当者は「現状で良いのかという話になると、良いとは思えないが、毎月支給となると、自治体は担当者を増やさなくてはならないので困難」と述べました。

昨年12月27日付朝日新聞は、「先進国の子ども手当やひとり親関連の手当の支給間隔を調べた。アイルランドの子ども手当ては月払いだが、ひとり親手当は週払いだ。豪は各週払い、独、仏、カナダは月払いだった。英国の子ども手当ては4週おきだが、ひとり親世帯は週払いも選べる。貧困層への政策に詳しいイチロー・カワチ米ハーバード公衆衛生大学院教授は『手当のまとめ支給が、低所得者のお金の使い方に大きなムラを生じさせ、やりくりを極めて難しくしている低所得者が陥りやすい心理や行動を考えると、まとめ支給はまず避けておくべき点なのに、日本はなぜそのまま続けているのか』と指摘する」と報道しました。

低所得者の支出は食費、光熱費、住居費などの固定費が大半です。収支を把握し、月の見通しを立てやすく、滞納や借金をなくすためには、手当はまとめ支給ではなく、毎月支給がより有効だということです。

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