実例が満載「生きる力の輪」

母になるなら流山!?

ちば民報 2015.4.10

「希望していた保育園はいずれも空きがないといわれ待機になりました」と、Kさんから涙ながらに訴えられました。Kさんは3歳の女の子のお母さんです。

Kさんは、「無認可の保育園も検討したけれど、保育料が高くあきらめ、市から“新設保育園なら空きがあるからどうか”とすすめられました。けれども家から保育園まで車で往復1時間もかかりますから、幼い子どもには負担が大きいと思います。保育送迎バスステーションの利用を提案されました。これはもっと非現実的で、自宅からおおたかの森駅まで子どもを連れていき、そこから子どもだけバスに乗せられ自宅付近を通過、空きがある保育園に届けられるというものです。これではさらに子どもに負担がかかりますからとても無理で、途方に暮れてしまいました。就労をあきらめて幼稚園を選ぶしかないのかと追い詰められている」というのです。

たまたま私はある認可保育園の理事をしています。ここでは日常は無理な定員超過の保育はしていませんから、「緊急性がある」ということで、園長に会ってもらい入園の内諾を得て、市役所からの入園許可が取れました。

Kさんは、保育園を決める基準を「子どもの育ちを大切にしたい」においています。それで無理な保育所は選びませんでした。

Kさんは言います。「“母になるなら流山”という流山市の宣伝を信じて引っ越してくる人がたくさんいます。でもみんな保育園に入れないで困っています。近所の知り合いは、上の子は認可保育園に預け、下の子は職場の託児所に預けるという生活を2年も続けています。また別の知人は今年の夏に流山に転入する予定ですが、保育園に入れないことを知り、夫と別居をし住民票を分け、母は保育園に入れる現住所に残ろうと思っている」といいます。

流山市は“母になるなら…”の売り込み効果や、つくばエクスプレス沿線巨大開発の「効果」があって出生率は千葉県第1位です。一方で8カ所あった公立保育園を5カ所に減らし、定員も160人も減らしました。公立保育所の保育士も非正規職員が約6割になっています。民間保育園保育士待遇改善は市単独補助がありませんので保育士が集まりにくく、民間保育園は29園になっていますが、待機児童は500人もいるのです。

厚労省の待機児童の緊急対策は、本来必要な保育士配置の規制を取り払ったり、定員超過を認めるなど、子どもの発達と安全を犠牲にしたものです。認可保育園を国と自治体の責任で増設することが求められています。あわせて国が保育士の賃金水準を抜本的に上げ、さらに自治体は地域の実情にあわせて上乗せ補助をするような対応が求められています。

<ページトップへ>