実例が満載「生きる力の輪」

急迫事態の医療扶助

ちば民報 2015.5.15

4月19日、四街道市生活支援課に、生活保護行政の改善を求め申し入れをしました。これには当事者のUさん(76)と妻(68)、四街道市生活と健康を守る会の高野事務局長、妹尾県連会長、共産党市議2人が参加しました。

3月3日、Uさんは缶チューハイ2本を飲んでつまずき転び、家のガラス戸に頭から突っ込みケガをしました。出血が多く傷口を縫合し、医師のすすめでその日は入院となりました。妻がケースワーカーに連絡すると、「酒を飲んでの事故だから治療費は自分で払いなさい」と言われました。とりあえず総額約12万2千円のうち1万2千円を病院に払いました。1日2食の暮らしとなり、生きていけるか不安で、四街道市生健会に相談したのです。

生活支援課には、なぜ医療扶助を出さないのか説明を求めました。「酒によるケガであり、自己負担だと病院から連絡があった」「医療扶助は国保法の給付に準じているが、飲酒によるケガは国保法第60条で療養給付はおこなわれない」というのです。

国保法第60条は、「自己の犯罪行為により、または故意に疾病にかかり、または負傷した時は、当該疾病又は負傷に係る療養の給付等は、行わない」とあります。しかしUさんは、「故意のケガ」ではありません。「生活保護手帳問答集」の「違法行為により自傷した者に対する医療扶助の適用について」では、国保法第60条適用で医療扶助がおこなわれないとしても、「負傷した被保険者が」「急迫状態にあるときは、必要最小限の範囲で医療扶助を適用することもやむを得ない」とあります。

Uさんの息子さん(36)は障害1級で、生活保護費から医療費支払いをすれば、困窮のため最低限度の生活が維持できなくなります。このことから医療扶助の適用を強く求めました。そして、「確かに負担が重いので検討したい」と回答を得ました。

またUさんは、生活保護法第27条の指導及び指示により「飲酒を控え療養に専念すること」、法62条で指導に反すれば保護の変更・停止または廃止処分をするという文書に、意味がわからないまま署名捺印を強要されました。「指導及び指示」は「生活の維持、向上その他保護の目的達成」のために、生活保護を受けている人の「自由を尊重し、必要最小限にとどめ」、「被保護者の意に反し」て強要はできません。

被保護者に寄り添っての援助ではなく行政処分の濫用であり、憲法が保障する人権を侵害しないよう強く要求しました。

<ページトップへ>