実例が満載「生きる力の輪」

スティグマの壁を破る

ちば民報 2015.7.10

6月は、生活保護の移送費不支給問題をお知らせしました。千葉県健康福祉課生活保護班は5月24日の交渉後、6月6日に「付き添いの交通費は、通院・入院にかかわらず、福祉事務所が必要であると認めるものは、医療扶助の移送費として支給できる」と回答しました。市町村の「生活保護のしおり」に移送費の「記載を指導していく」とあります。これを受けた付き添い移送費を申請したKさんの手記です。

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県交渉で通院交通費について、自分も支給対象になるのではないかと現状を訴え、県の担当者から後日回答がありました。私の子どもは、睡眠時無呼吸症候群という病気で、加えて低身長の治療が必要となり、専門の医療機関への通院、検査入院、手術のために入院が続きました。生活保護の担当ケースワーカーに「子どもは未就学児で、保護者同伴の場合、運賃はかかりません。しかし母親が付き添わなければ病院には行けません。私の交通費は認められませんか」と質問しました。

答えは「出ませんね」というものでした。別のケースワーカーからは、「近くの病院で診てもらえないか」と言われました。担当ケースワーカーの理解を得るため、子どもが生まれてから現在に至るまでの詳細な通院、治療、症状を伝え、そのたびに心が折れる思いになりました。

生活保護の医療券での受診は敷居が高く、個人情報の守秘義務が徹底していないと安心して受診できません。子どもたちが体調を崩したとき、伝染病や感染症の治癒証明書が求められたとき、病院に行きますが、保護者の付き添いなしには移動も受診もできません。医療機関からも必ず付き添いを求められます。

「付き添い者も移送費が認められる」との回答を得て、過去2年半分の通院、入院の証明を医療機関から出してもらい、妹尾会長と移送費の申請をし、受理されました。

他の件でも支給対象ではないかと質問すると、ケースワーカーによって対応が異なり、自治体ごとにも異なるというのです。これは不思議でなりません。なぜなら生活保護は法律によって定められ、その規範は、「生活保護手帳」「生活保護問答集」にあるのではないでしょうか。今回の出来事は、私の権利請求意識を高めてくれました。“保護は恥ずかしい”というスティグマ(負の烙印)の壁を破る力をつけてくれた生健会の仲間に感謝の気持ちを伝えたいです。

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―今こそ、「漏給一掃」、
個人の尊厳を守るため、すべてのまちに生健会が必要とされています。

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