実例が満載「生きる力の輪」

自動車の買い替え認めて

ちば民報 2016.12.11

Kさん(51歳)は8年前、脊髄梗塞症という難病を発症しました。脊髄の一部が壊死し、胸から足先までしびれと痛みがあります。「原因不明の難病であるが難病指定ではない」として、障害6級とされました。徐々に症状が進み、現在は3級と判定されています。

蓄えもなくなり生活保護を申請、「通院になくてはならない」と主張し、自動車の保有を認めさせてきました。このほど、自動車が使用に耐えない状態になったため、自動車の更新を申し出ました。自動車は中古車で、保険等一切の経費を含めて68万円でした。ケースワーカーは、保護費のやりくりによって賄う場合は、「不正な手段により蓄えられたものではないことを確認したい」と言うのです。「不正の手段とは、収入の未申告等により蓄えられたものでないことを確認する」というものです。Kさんは「不正な手段」という言葉に大きく傷つけられました。

自動車が老朽化で動かなくなったらどうしようかと恐れていました。アルバイトをし、妻のパートと合わせ、月々の収入を真面目に申告してきました。日々の生活費を切り詰め、勤労控除分や障害加算分等、必死でやりくりし蓄えてきたのです。「生活保護手帳」では、「保有自動車の更新が認められる場合」として、

  • 1、容認されていた自動車が使用に耐えない状態になったこと。
  • 2、容認の事情に変更なく、更新後も引き続き容認要件に該当すること
  • 3、自動車の処分価値が小さく通勤通院等に必要な範囲の自動車と認められるものであること。
  • 4、自動車更新の費用が扶養義務者等他からの援助又は保護費のやりくりによって生じた預貯金等により確実に賄われること。
とされています。Kさんは、1から4全てに該当しますから、自動車の更新は認められるべきことです。

2013年4月19日、大阪枚方市での生活保護裁判は、両股関節全廃障害の佐藤キヨ子さんが、自動車を保有していることを理由に生活保護を廃止され、再度の生活保護開始申請も却下されたことに対するものでした。

判決は、「生活保護を利用する身体障害者がその保有する自動車を通院等以外の日常生活上の目的のために利用することは、被保護者の自立助長及びその保有する資産の活用という観点からむしろ当然に認められる」と、自動車の利用目的を通院などに限定している運用を厳しく批判しています。

「健康で文化的な最低限度の生活」や「自立の助長」の観点から、保有を認めさせることが大切です。

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