実例が満載「生きる力の輪」

貧困の悪循環を断て

ちば民報 2017.2.11

2013年の生活保護制度見直しで、最大10%の生活保護基準の引き下げが行われました。そのため生活保護利用の世帯から「買い物は底値のものしか買わない。子ども優先で、自分は一食で我慢している」「冷蔵庫、テレビ、掃除機、炊飯器など電化製品が壊れ買い替えできない」「ガス、水道、電気代の節約で、入浴も暖房もギリギリ我慢している」と、悲痛な声があがっています。

そこへ今度は最大5%の削減です。政府の削減の理由は、「生活保護を利用していない低所得世帯の生活水準が下がったから、それに合わせて引き下げる」とのことです。これを知った生活保護利用者から、怒りの声が寄せられました。低所得世帯の生活水準を引き下げたのは政府じゃないか!生活保護を利用していない低所得者に合わせて生活保護費を減らすなんて、貧乏人は生きるなということか」との怒りの声です。

低所得世帯の生活水準が生活保護以下になっていることは、国民生活が貧しくなっていることを示しています。「低所得世帯の生活水準が下がった」ことを理由に、生活保護を削れば、際限のない「貧困の悪循環」を招きます。

生活保護の捕捉率(利用の要件がある人のうち、実際に利用できる人の割合)は2から3割と言われています。その中には「水際作戦」によって役所の窓口で追い返された人も少なくありません。実際、「生活保護の申請をします」と言っても、「相談内容を聞いてから」と、間違った対応が多くあります。生活保護行政の欠陥こそ正すべきです。今回の生活保護削減は、子どもの多い世帯ほど削減幅が大きくなります。「子どもは学校の文書を出すとき、保護費で出るか心配している。これからどうやって暮らすか考えられない」と言っています。

生活保護削減は、国民生活に重大な影響を与えます。就学援助の適用や地方税の非課税基準にも影響、国保や介護の減免、高額療養費の基準など、47の国の制度と自治体の減免制度も受けられなくなります。最低賃金も「生活保護基準と整合性をはかる」ことで影響します。生活保護削減は国民みんなの問題なのです。

生活保護削減予算は160億円で、「思いやり予算」など米軍経費の増加部分だけで195億円です。思いやるべきはどちらか!予算の使い方が間違っています。4年連続で最高額を更新している軍事費に歯止めをかけ、憲法9条の機能を生かし、国民生活こそ優先すべきです。

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