ちば民報レポート

旭中央病院の無法解雇とたたかう宮本さん
職場と地域医療守るためにも

ちば民報 2013.3.3

宮本隆さんの写真

旭市にある「国保旭中央病院」(院長・吉田象二氏)は、昨年4月に医師が大量退職するなど大変なことになっています。千葉医療福祉労働組合に加盟する国保旭中央病院の宮本隆さん(47歳)は、元は臨床検査技師でしたが、自身の不払い賃金の支給と「該当職員全員にも支給」することを求める、当然の要求と運動をすすめていました。このなかで病院は銚子労基署から「違法宿日直を職員に課していた」ことを指摘され、これまでの賃金不払い分を該当職員全員に支払うようにと是正指導されました。しかし宮本さんは昨年3月30日付けで突然「分限免職処分」(公務員の解雇)されました。宮本さんに解雇撤回闘争と地域医療再生についてお話を伺いました。

ルール無視の解雇

もともと旭中央病院は、皆保険制度導入にあたり、「保険あって病院なし」とはいかないと、昭和28年に旧旭町外8ヶ町村(現旭市)で、多くの市民がボランティアで山林を開拓したりして開院されました。現在989床、36診療科をもつ香取海匝地域の住民にとって、なくてはならない病院です。

しかし近年、県が「県が担うのは高度医療で、地域医療は担わない」と地域医療からの撤退を宣言したことから、銚子市立病院の突然の休止、匝瑳市民病院、県立佐原病院での産婦人科・小児科の休止などの事態が進みました。北総・東総地域では、旭中央病院に地域の患者が殺到し、その結果、医師の疲弊がすすみ大量退職が発生。救急患者の大規模な受け入れ制限をせざるを得ない状態になっています。

その上、病院長などの一部幹部は、職員が労働条件の改善などを要求することが「気に入らない」からと、ルールを無視して平気で首を切ってしまうようになりました。旭中央病院では、長年、時間外労働手当の支払額が異常に少なく(一般病院は月平均37、678円。旭中央病院は12、418円)、「残業代がつくけど、サービス残業がほとんど」(08年の職員アンケートの回答)と職員締め付けがめだちました。

又、一部幹部職員による「職員いじめ」も繰り返されるなど、職場環境には問題が山積みしていました。それでも病院経営は、①すこぶる良好な状態、②市からの一般会計繰越金に依存しない、③非常に高水準の現金預金残高を擁している、④高水準の自己資本比率となっています。

職員不在で議論が

そこに新たにもちあがったのが、旭中央病院の「民営化」です。市議会に「旭中央病院検討委員会」なるものが設置され、招かれた「外部からの委員」による議論で「非公務員型独立行政法人化」という名の「民営化」が検討されているのです。これは、文字通り職員が旭市職員としての身分を失うものです。その検討を職員不在ですすめているのです。更に「外部からの委員」は、旭中央病院が運営している介護・老人施設などの民間委譲まで検討材料にあげているのです。これでは、医療再生どころか地域医療と地域の崩壊をまねく「検討委員会」といわざるを得ません。

もともと、旭中央病院の経営状況からみて民営化の必要性はまったくありません。旭中央病院は、市民と地域がつくりあげた貴重な共有財産です。その将来は、主人公である市民と医療に携わる職員たちの協力・協同で決めることであり、市民に奉仕する病院にこそ再生するべきです。

そのためにも、職員の職場環境の改善、違法な宿日直の廃止と不払い賃金の全職員への支給、宮本隆さんへの不当解雇撤回と、県に本来の地域医療への責任を課し旭中央病院の負担を軽減する対策をとらせていかなければならないのです。

宮本さんが臨床検査技師の資格を取って、旭中央病院に入職したのは昭和62年。それから15年間は技師として働いてきましたが、職場長の「いじめ」にあって「退職強要」をされました。それに従わなかったことから、長男が産まれた直後に「助手」(技師の手伝い)へと降格処分されました。「処分に従えば、やがて前に戻す」と口車に乗せられてしまいました。助手として働いていた2年目に労働組合の存在を知り、現在の千葉医療福祉労働組合に1人で加盟したのです。

宮本さんは、労働者としての当然の権利を主張するなかで助手とされ、10年目に解雇となりましたが、この解雇は公務員法にも違反したあまりにも乱暴なもの。今、自身の職場復帰とともに地域医療を再生させることが急務と、県内の労働組合の協力と地域の人々の力に支えられて奮闘しています。

▼旭中央病院・宮本さんを職場に戻し地域医療を再生させる会
千葉市花見川区幕張町5―417―222―111

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