ちば民報レポート

そうふけっぱらを守ろう 絶滅危惧種たくさんの「奇跡の原っぱ」

  ちば民報 2013.11.3

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緑の回廊の名残

小高い丘の谷筋に作られた調整池、水面に周囲の木々が映りだされている

印西市別所・宗甫地区にある、千葉ニュータウン21住区内(21住区北側の約53ヘクタール・通称・「奇跡の原っぱ」)に、全国的にも重要な自然環境が残っているというので、共産党の丸山慎一県議の視察にご一緒しました。これには、地元印西市の山田喜代子市議らも同行しました。

印西市にある草深原(そうふけっぱら)は江戸時代からあり、手賀沼と印旛沼をつなぐ緑の回廊となっています。絵本「そうふけっぱらのきつね」(印西町教育委員会発行、画・梶山俊夫)では、キツネが犬や農家の老夫婦に化け、商人を惑わす物語が描かれています。キツネは現在でも生存が確認されるほどで、草深原が貴重な場所であることが判ります。

今から40年前、白井から船橋・印西にかけ、成田空港の開業を見込んで、千葉ニュータウン(300ヘクタール)の造成が千葉県とUR都市機構(現)によって始められました。当初の予定人口は34万人でしたが、入居がすすまず14万3300人へと計画縮小を余儀なくされました。実態は9万3547人(本年8月末現在)にしかなっていません。

やむなく県とUR都市機構は、住宅地を企業用地としても使えるように変更し売り出していますが、用地の分譲は遅々としてすすまず、結果として草原が草刈りなどで維持されたことで、全国的にも稀な大規模広草地が奇跡的に残ったのです。

すすむ自然破壊

視察する丸山県議と山田印西市議の前には広大な原っぱが広がっている。

「奇跡の原っぱ」に向かってみました。ここは草深原の一部です。北側に東西にわたって亀成川があり、奇跡の原っぱは亀成川の源流部となっていました。中には柵が巡らされていて(管理者はUR都市機構)入れませんでしたが、多くの谷津、草地、樹林地がありました。40年前の粗造成で谷津の前後が埋められ、そこに池が出来ていました。草原とそこに点在する湿地および周辺の水辺には、環境省の絶滅危惧種27種や県の絶滅危惧種109種を含む830種もの動植物(主に植物)の生息生育が確認されているとのことです(日本自然保護協会のまとめ)。キツネは、県の最重要動物に指定されています。

地元では、この「奇跡の原っぱ」をこれ以上造成工事でこわさず、「自然公園」や「都市林」といった県の保護地域にするよう、要望書を提出しています。しかし現地では、昨年末から大規模な造成工事が再開され、奇跡の原っぱは、造成残土処分の名目で埋め立てがはじまり、複数の絶滅危惧種の生息が確認されていた場所も破壊されているのでした。

二次的な自然とはいえ豊かな自然が形成された「奇跡の原っぱ」は、全国の自然保護団体にも注目されています。貴重な生態系を守り、これを活かした千葉ニュータウンのまちづくりこそ、地域の発展につながると視察団一同で確認したのでした。

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