ちば民報レポート

シンポジウムで考えた「歩いて用が足せる街」

船橋で行政まじえ

  ちば民報 2014.1.12

顔なじみの人が住み、歳を取っても歩いていける範囲で買い物をしたい。自分が生まれ育った街で一生涯暮らしたい。これは誰もが願っていることに違いない。しかし現実には商店街はコンビニや外食産業の店などにとって変わられているか、シャッター通りになってしまっている。果たして今の場所にいつまで住み続けることができるのか分からない。こんな心配にこたえようと「高齢者が安心して集える船橋を」考える集会が、12月11日午後3時半から船橋革新懇の主催で東部公民館で開かれ54人が参加しました。

開会の挨拶で船橋革新懇の沢田洋二事務局長は「全国革新懇の3つの共同目標の他に、船橋では市民が安全・安心な街作りを目標に入れて行動してきた」とのべました。そして11月と12月に船橋駅や津田沼駅頭で秘密保護法反対の署名を1時間半にわたっておこない、今までの10倍以上の署名が集まったと報告。憲法違反の秘密法の撤廃を求める請願署名を引き続きおこない、特定秘密法の出前講座を続けますと話しました。

パネル討論は船橋市高齢福祉課の藤城光徳係長による船橋の高齢者事業の話からです。全世界で高齢化が進んでいる。船橋は人口61万人だが、65歳以上の人は13万人いて高齢化率は平均で21・5%となっている。そして地域ごとの高齢者率を紹介しながら、高齢者に対する事業として、どのような事が行われているか概要が紹介されました。

続いて、3人のパネリストの皆さんから各地域のユニークな取り組みが紹介されました。最初に発言したNPO100歳まで安心して買い物できるまちづくりの会の津賀幸子さんは本町4丁目にお住まいだ。町内を歩いてすべての用が足せるにようにしたい。しかし現実にはかつて120あった商店が現在では70店舗を切る状態に減ってしまった。理由はモノが売れないから廃業してマンションにしてしまう。なぜなら税金が高くて払えないからだ。120坪の土地を持っていると120万円もの固定資産税が必要になる。昔からある電気屋さんに聞くと一日の売り上げが3万円だというが、これは売り上げが良い店のことで、この税金が高い状態ではとても住み続けることはできない。また、いまJR南船橋の公有地の空き地をみつけ、市に頼んでここに特養ホームを建てる運動を進めていると報告しました。

習志野台6丁目に住む習志野地区社会福祉協議会会長の栗山正雄さんからは「安心紹介カード」の報告がありました。これは地区社会福祉協議会が始めたもので、市のそれまでの取り組みでは不十分なところがあるとして、本人の基礎情報に緊急連絡先、身体情報をプラスした。団地などに住んでいる住民(とくに高齢者)に緊急事態が起きたとき、どこに連絡すれば良いかという要介護支援や、孤独死対策にもなるものだ。住んでいる人の命綱とも言えるもので既に1万4千人の人が登録に応じている。しかしここまでこぎ着けるのは楽な道のりではなく、最初は行政もこの地区社会福祉協議会の取り組みに見むきもしなかった。いま援護を必要とする独居の人は8万6千人おり、そのうち1万3千人に郵送で登録をお願いしたり、一人ずつ訪ねている。市は一人の登録者の見回り、あるいは電話での確認にたいし、1回15分で100円(1時間なら400円)、年間4回までの報奨金を予算化したが、これでは交通費にもならない。データ入力の協力をして下さる方々にもかなり無理をお願いしている。調査はまだまだ不十分で自治会の加入率を高める活動と平行して行っていきたいと話しました。

福島ユリさん(東部地域医療・介護・福祉を考える会)は、二和地域の新婦人と年金者組合、それに介護施設と一緒に「安心して住み続けられる」シンポジウムを薬園台公民館で開いた経験を紹介。「笑って死ねる病院」というNHKのビデオを鑑賞する会がとくに人気で、9つのグループに分かれてホンネの話が出来た。認知症の家族会が出来、10人の世話人を中心に、65回の会議を開いた。学習会をおこない、認知症の人を抱えている家族の人と討論して太いパイプができた。今後は専門職として何らかのサポートが出来ないか考えているとのべました。

最後に丸山慎一県議が、各地で行われているユニークな経験を学びあって、ネットワークを広げて行こうと挨拶しました。

そして社会保障費が削減される一方で、行政は困っている人を本当に助けようとしていない。いま必要なのは地域の結びつきを強め、老人会を作ったりすることだ。また革新懇の役割が今後ますます重要になると話し合われました。

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