ちば民報レポート

強まる右派議員の攻撃・市民の監視が必要

  ちば民報 2014.1.26

講演する加藤氏

「子どもと教科書千葉ネット21」は昨年12月21日、総会を開催し、実教出版『高校日本史』代表執筆者の加藤公明氏が「歴史の授業と教科書」と題して講演しました。

いま憲法を改悪し、「戦争する国」をめざす政治勢力は、若い世代の教育に介入し攻撃を強めています。東京都教育委員会は、実教出版『高校日本史A・B』を都教委の考えと異なるので使用は適切でないという見解を議決し、学校現場に圧力をかけ、結果としてこの教科書の採用をゼロにしてしまいました。

その理由は国歌・国旗法の運用に関して「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」との記述が、「都教委の考え方と異なる」からというものです。大阪や神奈川などでも同様の動きが起きています。

県内でも「日本会議」に所属する自民党県議たちが松戸や船橋などの議会で、実教出版『高校日本史』採択に攻撃をかけています。千葉県教育委員会は、「文部科学省の検定済である」として、実教出版『高校日本史A・B』の採択を決めています。ところが県議会に於ける右派議員の攻撃に屈して、県教委は同教科書の問題部分の指導に際して、「…国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとする」と明記された、高等学校学習指導要領に留意した指導とするよう各高校に通知を発しました。政治的介入の防波堤となるべき県教委が、一部政治勢力の要求に応じて特定の教科書の一言一句の指導を指示したのです。

県内の高校で30年以上日本史の教師を務めてこられた加藤氏は、生徒たち自らが考える授業のあり方を自らの経験から紹介し、「往々にして歴史は暗記するものだという考えがあるが、そうではない。生徒が歴史を主体的に考え、その中から主権者として自ら考え行動できる人間が育つもの。教科書はそのための素材であり道具である」と。そのために教科書は、①歴史研究の成果にもとづく歴史的事実であること、②教師が教えやすく、生徒が読んでわかること、③生徒が主体的に学べるように、民衆史的な観点から記述をすること、④地域の歴史や女性史を重視し、また世界、特に東アジアの中で日本を捉えるものであることが重要だと言います。

この立場から、「国旗掲揚、国歌斉唱の強制」は事実であり、これを封殺することは、歴史をゆがめ、生徒たちがこれを考える機会を奪うものです。教育行政は子どもの学ぶ権利や教師の教える権利を侵害するものであってはなりません。次代を担う子どもたちが「お国のために命を捧げる」ことを強制されるような教育への市民の監視が必要です。

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