ちば民報レポート

仲間との思いの共有◇柏市 教育対話集会

  ちば民報 2014.2.16

「第33回柏市教育対話集会」が1日、柏市中央公民館で開かれました。福島県南相馬市で小学校の先生をしている白木次男先生が「いま、福島に生きる子どもたちから学ぶもの」と題して講演し110人が参加しました。

南相馬市の人口は7万人でしたが、津波と原発事故で約1万人となりました。先生の学校には600人の生徒がいましたが、そのうち450人が避難してバラバラになります。それでも4月中旬に学校は再開、始業式で子どもたちはマスクをしたまま校歌を歌いました。

新入生は例年80人ですが、その年は14人でした。「この子たちに確かな明日を手渡す責任が教師にはある」、「私たちは子どもたちとともに歩もう」と決意します。先生は生活綴方を通して、苦しみや悲しみを抱えた子どもたちの心の現実に向き合いました。

「家が流されたことも大事な物がなくなっていても、私はもう気にしていません。それはもう終わったこと」とある子が書きます。それを読んだ先生は、我慢をしながら前を向いていると感じます。「無理しないでいい」と言いましたが、子どもは書きなおすことはありませんでした。教師は書かれたことへの「想像力と共感が大切」と語ります。

子どもたちは避難先で、浪江や飯館の子たちから、「寒くはないか」と毛布を差し出されます。先生は、こんな“人への思いやり”が、子どもたちの財産にできたらいいと思ってやってきました。

また、はじめのうち「子どもは、放射線や津波の恐怖から守るべき存在」と考えていました。しかし、子どもたちは、「自分はどう生きていくか」と主体的に捉えて鼓舞していたのだと感じる場面が多くあったといいます。

ある子が、「あの日からのおくりもの」を書きます。「つらいことや悲しいことばかりをもたらした“あの日”だったけれど、命や家族の絆、友だちの大切さなどを学んだ。だから、これは“おくりもの”」と…。これを読んだ別の子は「悲しみはあまりに大きい。すべてを贈り物とは考えにくい。まだ迷いがある」と吐露します。

心は様々でも、一人ひとりが自分の中の思いを語り、「仲間が何を考えていたかを共有することが、明日への力になるのではないか」と言います。

放射線による分断と地域の崩壊という現実を前に、「贈り物をもらった」と言わせるだけでなく、「この先、帰れる故郷、つながれる地域をどう作っていくか、さらに社会を主権者としてどう生きていくかを探れるようなものにしていけたらいい」と語り講演を終えました。

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