国有地を特養などに使わせて 千葉市稲毛区の「会」

  ちば民報 2014.6.1

待ちきれない

長年放置され草が生い茂る広大な機動隊跡地

千葉市の特別養護老人ホーム(特養)の定員は2840人で、待機者は2043人もいます。稲毛区で、特養を作る運動が広がりを見せていると聞き、「稲毛区に特養など福祉施設をつくる会」の方々をたずねました。

千葉市の特養は、地価が安い緑区や若葉区周辺にはある程度設置されています。ところが稲毛区には新たな計画はありません。

現状はどのぐらい待てば入所できるのでしょう。「一つの施設で年間に5人から6人くらい。つまり入所者が亡くならない限り入れない」ということです。

有料老人ホームはいくつもありますが、300~1000万円の入居金と、月々25万円前後の費用がかかるといいます。「夫婦で施設に入りたいけど、高すぎて入れない。それで年金がそこそこある旦那さんは有料ホームに入れて、奥さんは“自宅で一人でがんばる”と言っている人もいます」と「会」世話人の井沢さん。

あぐい武夫議員は、こうした実態を市議会でとりあげ、国有地である機動隊跡地に特養ホームを建設するようせまりました。

「要望は大変強く、入れない話ばっかり耳に入っていました。機動隊の跡地は千葉経済大学に隣接する便利な場所。長い間空き地になっていました。あぐい議員の質問をきっかけに、住民運動がはじまりました」。同じく「会」世話人の石井さんはいいます。

当該の国有地は7000平方メートル以上もある広い土地です。特養だけでなく、保育所、障害者施設、引きこもりの方の居場所なども作ろうと、それぞれの関係者・団体が一緒になって運動をすすめています。

広範な賛同が

広がる運動を話合う「会」代表の方々

「会」は15人ほどの世話人を中心に結成しました。署名運動は、昨年12月半ばから地域の方々とともに取り組んでいますが、世話人のまわりのたくさんの方々が活動しています。

スーパー前など街頭での活動、知り合いや町内会(自治会)の協力。会えた方はたいてい署名してくれ、要望の強さを肌で感じました。署名用紙を預けたら、自分でコピーして集めてくれる方もいました。

「旧家が多い町内会の会長さんを訪ねました。玄関先に自民党のポスター、旗日でもないのに日の丸の揚がっているお宅です。ていねいに話すと、町内会で取り組んでくれるというのです。10枚ほど渡したら、“もっとくれ”と言われました」とあぐい議員。

難しいかなと思っていた創価学会の方も快く応じていただけました。なかには一人で400筆も集めてくれた人もいます。お付き合いがある銀行や、お風呂屋さんにも署名用紙を置いてもらいました。こうして4月23日、市に3117筆の署名を届けたのです。

署名運動のなかで、初めて話ができた方、手をつなげた人たちがたくさんできました。安心して暮らせるまちづくりをすすめるうえで、大きな財産になっているといいます。

市は積み上げられた署名に対して、「市民の関心の高さをヒシヒシと感じる。国から照会があれば、特養の必要性も含めて土地の取得を検討する。国には、住民から特養など福祉施設を作ってほしいとの声があることを伝えた」と答えています。

今後は国にたいしても、市への貸与を求めて働きかけていく予定です。考えてみれば国有地に市は課税できません。それは高い公共性があるからこその話です。国が長期にわたり何の利用もせず、計画もないのなら、市民の強い要望にしたがって住民福祉のために使うのが本筋でしょう。

「この運動は子育て世代からお年寄りまで、誰もが一致できます。身近な場所に福祉施設を作ってもらいたいんです。さらに運動を広く取り組んで実現させたい」と語っていました。

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