保健室の子どもたち 11 見つかった病名

養護教諭サークル◇中学校 かあべえ

  ちば民報 2014.6.15

健康診断がそろそろ終わりを迎えた6月は、子どもの健康状態を確認し、個別に健康相談をはじめる時期でもある。毎日の健康観察表からも、4月から2ヶ月の経過をみることができて、欠席の多い子、遅刻の多い子がわかるようになる。気になる子どもと健康状態を重ねて見てみる。

真理(仮名)は、5月の連休明けから欠席が目立つようになってきた。その前も遅刻が多かった。心配した母親が近くの病院に連れて行って受診した。医師のつけた診断名は、「起立性調節障害」だった。

夜はできるだけ早く寝るようにし、朝ごはんを食べさせるように準備をするが、やはり起きられないため、なかなか登校ができない。

私は、心因性のために起きられないのではないかと考え、友達関係を当たってみたが、トラブルはなかった。卓球部に所属していたが、練習は熱心にしていたので、特に問題はみあたらなかった。

めまいがあるからと耳鼻科を受診し、貧血が原因かもしれないと血液検査もして、原因をいろいろ探した。病院を変えて受診したが、どこでも「起立性調節障害」と診断された。

心配になり、私は、インターネットで真理の症状を入力し、検索してみた。あまり聞きなれない「スモールハート症候群」の名前があがってきた。からだの成長にともない心臓が大きくなるはずが間に合わず、血液が体中にまわりきれないで“立ちくらみ、めまい、頭痛、起きれない”などの症状が出ることがあると記述されていた。

担任と相談し、真理の母親と面談、スモールハート症候群という病気があることを話した。真理は、他の医療機関を受診してみることになった。

しかし、どこの医療機関を選ぶかで、壁にぶつかった。心臓の大きさをミリ単位で測定できる医療機関は少ない。県内の医療機関を検索して見つけたクリニックに予約を取れたのが、1ヶ月先だった。

やっと受診していわれた診断名は、思った通り「スモールハート症候群」。漢方薬が処方され、毎日散歩をするように指導をうけた。本人も安心し、「サボりと思われていたんじゃないかと思っていたから、そうじゃないと分かってもらえて本当に良かった」と話してくれた。

今もほとんど毎日、遅刻してくる日々が続いているが、その顔は明るい。間近にせまった修学旅行を楽しみに登校している。真理は、「遅刻しないように、寝ないで起きていて、新幹線で寝るようにするから大丈夫!」と言っているが、笑顔がこぼれてる。

子どもの生活の状態や生育歴、内面の状態を含めまるごと子どもを観て(診て)診断できる医療機関が少ないのが残念でならない。

養護教諭は、子どもに向きあうとき、顔色、声色、皮膚の弾力を触って確かめ、健康診断の結果はどうであったか、普段の健康観察ではどうか、子どもをまるごと観ることが大切だと思っている。

<ページトップへ>