ちば民報レポート

保健室の子どもたち14 それぞれの夏休み

◇養護教諭サークル 中学校 かあべえ

  ちば民報 2014.9.21

「田舎のおばちゃん家で畑からスイカを取って来て、スイカ割をしたよ」「富士山に登ったら、人が多過ぎて、ゆっくりしか登れなかった」「シンガポールのマーライオンは思ったより小さかった」「ドイツにホームスティして、ドイツの中学校にも行って来たよ」。保健室での会話で、充実した夏休みを過ごせて幸せな子ども達だったんだなぁ~と思った。

でも、何処にも行かなかった子ども達もいた。「田舎も無いし、親も忙しいし、出かけるお金も無いし…」「外は暑いし、家にいてもつまらないから、近くの図書館で本読んでいた」「涼しいからショッピングモールでゲームしていたら、警備員に怒られた」。格差が子ども達にも広がっていると感じる。

海外に行った生徒は、英会話、塾、ピアノ、ダンスと習っているが、図書館通いしていた生徒は、「塾に行きたいけど無理だとわかっているから、親には言えない」と、希望の公立高校に入れるように勉強していると話す。

休み前から心配していた生徒。殆ど毎日、朝ごはんを食べないで来ていた裕子(仮名)は、体重が5キロ減っていた。給食で栄養を補っていたからだいじょうぶかなと思っていたが。いったい何があったのか?よく話を聴いてみると、夜、仕事をしている母親が買ってきてくれたコンビニのお弁当を食べ、「一日一食で過ごしていた」と言う。痩せた生徒が気になる休み明けだった。

もう一人、気になっていた佳代子(仮名)は入院していた。同じ部活の男子の「デブ」の一言で、「痩せてやる!」と決心して、一ヶ月で7キロ痩せた。52キロあった体重が、45キロになった。一日、300キロカロリーを目標に、殆どトマトとりんごで過ごしていた。給食は食べていたが、暫くしてから、トイレで吐いていたと話してくれた。

夏休み前には、激痩せして生理も止まっていたが、痩せている今の自分の方がいいと言う。危険性を話しても、頑として減量を止めることはなかった。しまいには、吐きたくなくても吐いてしまうようになり、自分でコントロールできなくなっていた。

担任と一緒に、母親に専門医の受診を勧め、どうにか医療機関と繋がった時点で夏休みになり、親の前では一緒に食事をして、食べたように振舞っていたが、暫くして吐いた。受診後、入院治療となり、母親や担任とも面会もできない状況の入院だった。一ヶ月以上経った今も、まだ退院のめどはついていない。

佳代子の母親は、今までは、兄達の方に手が掛かり、娘は大人しくて手が掛からなくていい子と思っていた。はじめて娘と向き合ったと語った。入院ということで、父親もことの重大さに気付き、一緒に相談できるようになった。家族が向き合うことで、回復も早まるように感じた。

2学期がスタートして一週間。宿題が終わらないと嘆いている生徒もいるが、それぞれの夏休みを終え、元気に登校してくれることを何より願っている。

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