ちば民報レポート

保健室の子どもたち16 様々に運動会

◇養護教諭サークル 中学校 かあべえ

  ちば民報 2014.10.19

秋といえば、食欲の秋、運動の秋、小学校にあっては、秋の大運動会だ。しかし、最近は、春の運動会に変わってしまった学校も多い。

この時期は、音楽の響きに気持ちが乗り、楽しい気分でやる気まんまんの子どもの姿が見られる。集団が盛り上がり一生懸命練習しているのが見られる。

徒競走、玉入れ、障害物競走、騎馬戦、応援合戦、集団演技など、何度も何度も繰り返し練習し、お互いに励ましあっている姿は、なんとも微笑ましく思う。

少子化の中で、親だけでなく、祖父母、地域の人たちも楽しみにしている運動会である。

でも、この運動会が楽しめない子ども達がいる。友人とペースをあわせにくい子、集団行動が苦手な子、その上、音が苦手な子どもがいる。

音に関して異常に反応する聴覚過敏なA男は、「ピストルの音がこわい」「太鼓の音がうるさい」という。運動会の間は、母親と窓の閉まっている保健室の中で過ごしていた。運動会の練習がはじまると、こういう子どもたちの症状は顕著にに出る。

いつ鳴るか分からないピストルの音にびっくりするのが嫌で、音の届かないところに避難しているのだ。

本人いわく、「耳に音が突き刺さってくるから、痛くて我慢できない」と。

ペース配分が苦手なB子は、入場行進から緊張し、みんなと合わせて歩くだけで疲れてしまうようだ。特に集団演技は、周りの人に合わせるのに神経を使い、自分のペースでやれない苦しさからか、終わった後は、必ず頭痛を訴えて来る。

「我慢してやっている」ことを認めてあげ、頑張りを応援して支えていくことが保健室でできる手助けだ。

一生懸命に頑張る多くの子ども達の運動会は、さまざまな場面で、感動を与えてくれる。

見ている親達の期待に必死に応えようと、頑張っている子ども達。

でも、期待に応えられない子どもたちもいる。そんな泣きじゃくる子どもを前にかける言葉は、「大丈夫だよ。よく頑張ったね」だ。

結果は悪くても、頑張ったことをちゃんと認めてあげることが、本人が、自分の気持ちとのおりあいをつけて、気持ちを落ち着かせてくれると思うからだ。

秋の夕暮れの中、さまざまなこだわりをもつ子ども達の運動会がまた終わった。

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