ちば民報レポート

保健室の子どもたち20 子どものからだの叫び

◇養護教諭サークル 中学校 湯ばあば

  ちば民報 2015.2.15

睦月の17日、国会を7千人もの女の人々が囲んだ。ヒューマンチェーン。赤い色を身につけ「人を殺すことは嫌いです。戦争はしません。集団的自衛権は反対です。九条を守ります」と、寒い冬の空に声が響き渡った。その輪の中に、真っ赤なコートを纏い私も参加した。子どもらの命と健康を願う養護教諭は、行動しなければならないと今、強く思う。

如月の満月の月に、生まれる命と死んでいく人のことを思う。私の弟は、13年前に死んだ。孫は満月の夜に生まれ、もはや1年生。石田一宏氏(松戸診療所精神科医、子どもの発達研究会主宰。一緒に学んだ)は、亡くなり15年が過ぎた。困難な環境の中で暮らす子ども達にカメラを向け続けてきたフリージャーナリストの後藤健二さんが、「イスラム国」に虐殺された。春へ希望をつなぐ2月の花〝みもざ、黄梅〟は黄色だ。子どもたちの未来へ展望の光の色をつくっていきたい。

4年生の太一(仮名)は、一人っ子。最近遅刻して、まずは保健室登校している。理由は、担任がこわいからだと。母親からの、担任の指導にかかわる苦情が正当化されてしまっている面もあるなあと思う。母の苦情の奥深くに、太一の育ちについての悩みがあるのではないかと思う。

太一が1年生のときの絵は、画用紙に人間が丸と線で描がかれていた。小さい人間が2人。運動会のときのことを表していた。楽しくなかったのかな。友だちはいるのかな。当時の担任も気にしていた。4年生までの間に、友だちとかかわりをつくることが苦手だということが解決できていない。学級集団に嫌われる位置にいる。

不器用さは、からだの面からもいっぱいみえた。好き嫌いが多く、給食は食べられるものがほとんどない。母も太一も食べなくてはならないとわかっている。しかし、担任から指摘されることをいやだと思っている。こんなことから、「担任はこわい」となってしまう。太一は、居場所を求めて保健室が大好き。

保健委員会で全校リレー大会の優勝チームへの賞品のメダル作りをしていたときのこと。粘土をこねておだんごにして、伸ばしていく。太一は、おだんごが作れないで粘土が乾いてしまう。からだの不器用さはまだまだ残っている。

母親は、担任への不満を同調してほしい目で話す面と、何事もとうとうと話しながらも、太一の育ちはこれでよいのか悩んでいるようでもある。

私は、大人がいま育てなければならないことを小出しにして、母親と何度も何度もおしゃべりを重ねている。肥満になっていく太一のからだは、“発達したいよ”という叫びでもある。

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