ちば民報レポート

保健室の子どもたち21 継続した対策が必要だ

◇養護教諭サークル 中学校 あまちゃん

  ちば民報 2015.3.22

「福島のことを忘れないでほしい…」。福島の先生の言葉を思い出す。

震災・原発事故から4年目。福島では今も放射線量を計測し除染しながらの生活が続くところがある。

はじめて、事故後の福島へ向かったのは一年半を過ぎた頃だった。雑誌「保健室」誌の取材もあったが、直接、自分たちの目で見てくることが一番の目的だった。生協や学校で食品の安全を調査研究している方が迎えてくれた。

福島駅前で放射線量の測定がすぐ始まった。数百㍍離れた公園でも測定する。表土の除去が済んだ公園では、駅前よりずっと数値は下がっていた。遊んでいる一組の親子を見つけ、「子どもが外に出ている。うれしい光景です」。子どもたちが遊ぶ姿をしばらく見ていなかったと言う。

相馬市では、近くに住む小学校の先生に漁港周辺を案内していただいた。数キロ先まで広がる、土台だけが残っている家々の跡。遠足で子どもたちと鬼ごっこをしたという浜辺はガレキが打ち寄せていた。イカ漁ができなくなった船が陸に数隻並ぶ。「やっと、子どもたちと希望を持って歩み出しています」と、福島に生きる思いを静かに語ってくれた。

福島県は、海沿いの浜通り、内陸の中通り、会津地方と地域により状況も変わる。後日、中通りの養護の先生たちから子どもたちの様子を聞くことができた。

▼豊かな自然に囲まれた学校や、リスを追いかけていた林は、木々に残る放射線量を気にしなければならず、線量の高い川は、ザリガニを捕まえることもできなくなってしまった。

▼子どもたちは、自家用車やスクールバスでの通学で、体を動かすことが少なくなっている。屋内の生活が続き、県全体で肥満傾向の子が増えている。スポーツテストで、「投げる」「走る」「跳ぶ」など、ほとんどの運動能力が低下しているとの結果が出た。

▼体の面で気になることは、鼻血が出やすい、帯状疱疹や視力低下が目立つ。免疫力が落ちているのか、カゼ等の感染症も以前より多くなったと感じる。

子どもたちの健康を守る取り組みは、除染作業をはじめ様々な形で進められていた。

外部被ばくの調査では、ガラスバッジ(小型積算線量計)が配られている。身に着けたバッジと、行動記録日誌と照らし合わせると、生活環境の中での外部被ばくを数値で知ることができた。

内部被ばくについては、ホール・ボデイ・カウンター(内部被ばく検査のための機器)や、超音波による甲状腺検査などがおこなわれていた。

放射能汚染による影響が乳幼児やこどもに出てくるのは5年、10年、それ以上後とも言われ、低線量被曝は孫の代に影響があるとも。毎日の健康状態を観察し、身体のどんな小さな変化でも記録を残しておくこと。継続的で定期的な健康調査・検査と医療体制の整備が今以上に必要だ。

<ページトップへ>