ちば民報レポート

保健室の子どもたち24 気持ちを察して

◇養護教諭サークル 中学校 かあべえ

  ちば民報 2015.6.21

梅雨入りした雨の日の保健室は、頭痛を訴えて来室する生徒が多い。気圧の関係なのか。健康がとりえで、明るく振舞う養護教諭の私だって、からだがだるいし、重い気分になりそうな天気だ。まして片頭痛持ちの生徒は、頭が痛くなることがあり、頻繁に来室する。

翔太(仮名)は、普段から1週間に1回保健室にやってくる。特に天気の悪い日は、頭痛を理由に来室することが多かった。

雨の日のある日、翔太は、「頭が痛い!」と来室した。また片頭痛かなと思い、検温し、ベットで休養させた。特にいつもと変わらず、無口だ。こちらが聞いたことに答えて、1時間休んだ後、教室に戻ることができた。

その日の放課後、「ねー、聞いて欲しいことがあるんだけど…」と、翔太と同じクラスの愛子(仮名)が話をもち出した。

「ありえないことなんだけど…、翔太が、自分の髪の毛を抜いて、私の机の角に並べているんだよ…。」「やめてといっても、やめないんだよ。そんなこと、普通ありえないでしょうー」と。

今は、気持ち悪いから、席を離しているという。班で給食を食べる時も、気持ち悪いから皆で席を離して食べている。女子からは、不潔だからと敬遠され、男子からは、変わった奴と思われている。でも、話しかける男子も3人ぐらいいる。愛子は、被害者のように訴えた。

私は、愛子の話の事柄を、教室の出来事の状況をイメージしながら、愛子に話した。

「ストレスから自分の髪の毛を抜くこともあるから、もしかして、皆が机を離したりしているから、無意識に髪の毛を抜いているのかもしれないよ。机を離すのを止めたら抜かなくなるかも…」と、状況についての意見を言った。

「逆に自分が席を離されたら、どんな感じ?」と、愛子に言うと、「私は、離されるようなことしていないから、ありえないよ」と愛子は言う。
「もしもの話よ。席を離され、口を利かなくなったらどうする?」
「学校に来ない」と愛子は言う。
「そうだよ。翔太は来たくない気持ちで来ていて、その気持ちが、髪の毛を抜くという行動になって、出ているのかもしれないよ」と私は話した。

その後、担任と話をした。愛子は翔太から席を離すことはしなくなった。

1週間後、翔太が、保健室に来た時は、不潔感もなく、抜毛もしなくなっていた。

雨の紫陽花は美しく咲き誇っているのに、この時期は、また心配な時期でもある。梅雨時が過ぎたら、どんな暑さが来るのだろうか。

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