ちば民報レポート

保健室の子どもたち25 孤立が深まって

◇養護教諭サークル 中学校 あまちゃん

  ちば民報 2015.7.19

「私の周りで辞めたい症候群が急増中!どうしたらいいの?」と、友人からの電話。

少し前までは、定年後の再雇用を希望する人たちも多かったのに。今では、50代になると「疲れた!」「とても身体がもたない」と、辞めていく先生たちが増えている。

マスコミを味方につけた学校・先生バッシングをまともに受け、心が折れていく仲間がどれだけいただろう。教育実践も職場づくりだって頑張っていた人たちなのに。

教員の心の病は、一般企業より数倍も多いと言われているが、メンタルヘルス対策は遅れている。長時間労働の学校現場は “ブラック企業”と化している。

世間的には「いい学校」「落ち着いた学校」と言われている学校に転勤した頃のこと――。

その職場では、5人が休職中、休職から復帰したばかりの人が2人いた。部活指導中に脳梗塞で倒れた人、自律神経失調症、糖尿病、気管支炎、うつ病と診断された人等々で、休む先生が続出していた。

伝統校としての誇りを前面に、学力でもスポーツでも周囲の期待は高く、最高の結果を残すことが常に求められていた。どの部活も、「出場したら、優勝か準優勝はあたりまえ」。生徒も先生もかなりのプレッシャーを受けていた。

音楽科の先生のケース。着任早々、PTAのOBの方から、「この学校に来られて名誉ですよ。ブラスバンドで毎年優勝してきました。存分に力を発揮してください」と、その一言が頭から離れなくなった。

合唱コンクール、文化祭、卒業式、入学式、祝う会等々、音楽関係の練習日が近づいてくると出勤できなくなる。その繰り返しで、休職を余儀なくされた。

「今、小規模校の講師です。やっとのびのびと教えることができます」そんな手紙がついこの間届いた。

独身で一番若かった英語科の先生。学生時代から鍛えた体には自信があった。休む人の補教、他の部活の指導、他教科まで教えた。朝の6時半から、夜は9時半過ぎに校門を出る。更に持ち帰りの仕事で、そのまま朝を迎えることも。休日の出勤も続く。そして、ある時から、不眠、食べられない、だるい等々うつ的症状が現れてきた。

「明日が来なくなればいい。このまま永遠に眠っていたい」と無意識に考えるようになった。彼女が一年半の休職から復帰した年、私は異動してきた。その時から彼女のメンタル面の健康にずっと関わっている。

今や、学校では朝の打ち合わせや職員会議がなくなり、パソコン画面で確認する学校もある。教員のつながりがなくなり、孤立が深まっている気がする。

子どものことを話題にし、授業の相談をし、ちょっとした愚痴を言う。それだけで、エネルギーが出てくるものだ。そんな風景が消えつつある。先生たちの癒しの空間、つながりの場…。せめて“保健室カフェ”がもっともっと必要だと感じる。

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