ちば民報レポート

保健室の子どもたち26 夏休み明けには

◇養護教諭サークル 中学校 かあべえ

  ちば民報 2015.10.18

「学校に行けない時は無理しないで、図書館においで…」と、2学期の登校日前に自殺を防ぐ為の呼びかけが話題になったが、効果はどれだけあったろう。

ニュースでは、昨年の9月1日の子どもの自殺者が131人と突出しているという。いじめでまた同じつらい思いをしたくない、人間関係がうまくいかない、宿題が終わらず叱られるのが怖い、と様々な理由があげられていた。今年も始業式後に線路に飛び込んだ中学生がニュースになった。その子は、夏休みの終わる時期を、どんな思いで過ごしていたか。それを思うとやるせない気持ちでいっぱいになる。

私の保健室も同じように「教室に行けない時は無理しないで保健室においで!」との思いでスタートした。

「皆、ちゃんと登校できるかなぁ…」と、少し重たい気持ちで出勤した。不登校ぎみだった昭雄(仮名)の顔が見えると安心した。昭雄は、夏休みはどんな生活をしていただろうか?生活のなかから、何かやる意欲をひきだすことができるようになっただろうか?

教室に入れないで、保健室登校した生徒たち。学校に来れただけでいい。「つらかったら、無理をせず、これから少しずつ、やりたいこと、勉強のことなど目標を決めていければいいよ」と話してみる。

中学校の夏休みに、宿題が無いことはありえない。宿題が終わらない子は登校しづらい休み明けだ。

一方では、宿題を気にせず登校する子もいる。「宿題なくしちゃったから、できなかった」と、最初からやる気のないつわものもいる。

生徒たちが競争社会(これは、社会の縮図でもある)を、、いやでもどう乗り越える力をもてるか。大変なことだ。

一週間たってもまだ、登校できない生徒もいるが、最悪を選ばなかったことに胸をなで下ろした。

もう一つの心を痛める大阪寝屋川のニュース。防犯カメラに映っていた中学生2人の姿は、まだ幼かった。助かって欲しいという願いもむなしく遺体で発見されてしまった。日本は、夜出歩いても安全と思い込んでいた感があったから、日本中の人々がふるえたと思う。

ニュースは、大人の側、学校や地域で真剣に考えなければならないことを投げかけている。中学生の時代は、親に反抗、反発する時期。また冒険心と、好奇心の旺盛な時期。からだもたくましく成長の真っ只中にいる。何も行動しない子も心配で気になる。この子たちの心の成長を見守っていきたい。安心して学校生活を送れるように。

 

2学期もいろいろな悩みやトラブルで、大勢の生徒が保健室に押し寄せるだろう。どんな場合でも、私は暇そうな顔をして、「どうしたの?」と、生徒の話に耳を傾けたい。顔を、からだを観察し、生徒に向き合っていこう!しっかり子どもの命を守っていくぞ!気持ちを引き締めた9月である。

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