県議会ウオッチング

他者の痛みを

ちば民報 2013.12

はや年末。近くの河川敷でブルーシートに寝ている人の寒さを思う。千葉駅付近で寝起きするあの老人は、年を越せるだろうか。

今年、木更津市の77歳の男性が認知症の妻(79)を殺害し、自らも命を絶った。「介護に疲れた」と遺書を残して。昨年はある市の若い夫婦が、自宅で出産した女児を「経済的に育てられない」と置き去りにした。一昨年は、児童相談所がかかわっていた柏市の2歳男児が餓死。胃には、空腹のあまり口にした段ボールやプラスチック、毛髪まであったという。残酷さに胸がつぶれる。以前も書いたが、ヨーロッパなら政治家の首が飛ぶ事態だ。

ところが。9月県議会で議員の海外視察を復活させた自民党が、さっそく年明けの視察を提案してきた。行先はシンガポールやマレーシア。カジノリゾート施設にも行くという。県民には「自己責任」だと福祉を切り捨て、自分たちは税金で外遊か。2歳児はなぜ救えなかったのか、なぜ死に追い込まれたのか、飢えて命尽きる苦しみ、絶望は、どれほどだったか―。

人間には、10カ月の乳児でも思いやりの心があることが判明したという。今年6月、京都大学が発表した。ある図形が別の図形を小突き回す映像を乳児に見せ、研究したそうだ。フランスの思想家・ルソーも書いている。他者の痛みを思う共感と共苦の心こそが、人間にとって一番大切なのだ、と。