日本の命運がかかった総選挙

総選挙にあたってお二人の談話が寄せられていますので紹介します。

ちば民報 2012.11.25

憲法の立場にたって原発廃炉を

みやおか学園代表理事清宮起久司氏(86)

清宮起久司氏

私の関わっている幼稚園は北松戸にあります。あの原発事故による「ホットスポット」ではさんざん苦労させられました。その噂が広がった頃、共産党の三輪由美さんたちが地域で測定活動をしていたのです。

除染はしても

保護者の方とともに園を訪れ、「近隣でこんなに高い放射線数値が出ている」といわれる。それで私も秋葉原にとんでいってロシア製の測定器を買ってきて測ると高い数値がでました。私は専門家じゃないからわからないけど、東電も建屋をもっとしっかり作っていたら、事故があった時でも、もう少し被害の拡散を防げたんじゃないんですか?東電は今もいろんなことを隠したり、ねじまげていると思います。国もそうです。私は、戦前の自由にものが言えない時代と重なるものを感じています。それとおごりです。

幼稚園は住宅地の真ん中にありますから、近隣に迷惑をかけたくない。砂よりやや粗いダストをいれ、芝を植えていたのです。

ところがその芝で放射線の高い値が出た。共産党の人たちの献身的な協力で行政から補助は得たものの、芝生やダストまで取りさるということになったのはつらかったですね。

子ども最優先に

この幼稚園は昭和46年頃に小金原団地が計画され、幼稚園が必要ということで、できました。当時私は東京証券取引所の総務部長をしていました。しかし本当は教育の世界をめざしていたので脱サラし、夢だった学校経営を始めたのです。その頃、地域の幼稚園への期待は大きく、最盛期には550人もの子どもを預っていました。その後埼玉の三郷団地ができるとき、公団の方針もあってもう一つ園を作りました。

ただ、資産もない中からの出発だったため、一時は大変な苦労をしました。あまり顔には出しませんでしたが、夏休みなどに一人で足場を組んで園舎のペンキ塗りをしていましたので、周りでもわかったでしょうね。でもそれ以前に、「儲けないでいい。だけどやるべきことは手を抜かない」が私の信条。こんなことは外注したら楽だけど、なによりも子どもたちの豊かな環境を作ることを最優先してやってきました。プールは、趣旨に賛同してくれた方たちが作ってくれたのです。そういう意味では、ここは心を同じくしていただいている、多くの方々の手で守られていると、感謝しています。

子どもたちの安全には人一倍気を使っています。新園舎は今から3年前に建てたのですが、大地震は必ず近いうちに来ると考えていましたから、建築業者に「震度7に耐えられるように」と注文をつけ、頑丈な新園舎を建てました。建築業者には笑われましたけど、歴史に学ぶことは大事ですよ。

いまの日本の事態をみると、やはり原発は作ってはいけないものだったんです。除染も必要だけれど、その前に廃炉作業を早く進めて欲しい。動かすのもやめて、建設をすすめるのもやめさせて欲しいです。

私は東北の豊かな自然と心あたたかな人々が大好きです。原発事故で故郷に帰れない人々のことを思うと胸が痛みます。いろんな考えの立場を超えて、いまのような時だからこそ、憲法の9条と13条(幸福追求権)と25条(生存権)をきっちり守り、実際の政治に活かすことが、何につけても大事だと常々考えています。

国のあり方が問われているTPP

水土里ネット北総東部理事長 齋藤 豊氏(64)

齋藤 豊氏

TPPは現実の農業問題として考えると、圧倒的に安い農産物がどっと入ってくる危険があると思います。立場代わって消費者、一般国民の目で考えても結果として食料自給率が今でさえ39%と低いのに、それがさらに低く13%にもなってしまうという問題もある。

農政の展望こそ

TPPに参加するというなら、この国の農業や食料をどうするのか、どうなるのか、きちんと説明しなければいけない。農業の交渉を明確な考え方も展望も持たずにおこなって、「結果がこう出ました。いいですか」なんて国民に相談するんじゃ情けなさすぎます。ましてTPPは「とりあえず交渉に参加し、話し合ってやばそうなら撤退」なんて絶対できない。交渉に参加すること自体がTPPへの参加とイコールだというのは常識です。

私が栗源町長をしていた頃は国の減反政策のまっただ中。私は真正面から受けて、農家をまとめて実践していくんだとの立場でした。ですから栗源では常に減反100%以上で、農家の集団転作をめざしていました。そして地域の特産のサツマイモなどを、どう販路を広げるかなどをいつも考えていました。

農政はコロコロ変わって、農家はいつも、どういう方向に向かえばいいか悩んできました。でも土地改良区や行政の長としての立場では、いろんな人がいるので全体をまとめることが大切です。

父も行政に携わっていましたが、私とはずいぶん考え方が違って自民党一辺倒でした。見かけは「親の七光り」でしょうけど、政治的な立場はどちらかといえば正反対で左です。父を、人としてはとても尊敬していました。でも個人の立場では自民党の農政には批判的です。ただ、相手の立場に立って考えなくちゃいけないと思っています。

減反が押し付けられた時、「佐原の水郷地帯でいっぱいコメを作ってもらって、栗源は減反しよう」なんて言ったんですけど、考えてみれば市町村を越えたらダメなんですね。

中身も知らせず

水田というのは1、2年でも休むと、水田には復旧できなくなっちゃうんです。「休耕田をビオトーブ(生物がありのままに生息・活動する空間)に」とかいう人もいるけど、やはり農業というのは作り続けるところに意味がある。だから私なんか「農業には自然環境、緑を確保する大きな意味がある」ということには、確かに一面ではうなずきながらも、農家は農産物を作って生活するからこそ農家。消費者に良い野菜、コメを届けるということから離れちゃいけない。その立場からもTPPは、どうしても参加させてはいけない。

小泉さんが「郵政民営化はいいことばかり」「改革だ」みたいに言って選挙して、ふたを明けてみたら地域の郵便局がなくなっていた。気がついたら若い人らが非正規でしか働けなくなったりと、いろんなことが悪くされてしまった。TPPだって、農業だけでなく医療や労働のあり方も含めて、国のシステムがすべて変わってしまうほどのことですよね。その中身を明らかにしようともしないのは危険極まりない。

民主党なんか「TPP参加に賛同しないなら公認出さない」なんて、まったく政争の具にされているけど、そんなレベルでTPPは扱わないで欲しい。こんなところまで小泉さんの「郵政選挙」に似てきたと感じています。

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