生活苦の母強制退去の日に娘を…

しんぶん赤旗 2014.10.13

県営住宅の家賃滞納=減免知らされず・銚子

鉄筋4階建ての県営住宅

千葉県銚子市の県営住宅で9月24日、母親(43)が長女(13)の命を奪ったとして逮捕されました。生活困窮の実態を県と市が把握・連携し、県営住宅の家賃減免措置や生活保護につなげるなどの対応があれば、防げたのではという声が上がっています。

行政問う声

「娘さんは普段、かわいい服を着ていた。出かけるときはいつもいっしょ。仲が良すぎるくらいの親子でした」
日本共産党の田中努銚子市地域振興・くらし相談室長(市議候補)が事件後、県営住宅周辺をまわると、ある住民はこう話しました。

8カ月分支払うが

県住宅課によると、母親ちは2007年12月に入居し、家賃滞納で昨年10月、裁判で部屋の強制退去が決定。事件当日は、その強制執行日でした。母親は生活困窮を理由に、無理心中を図ろうとしたとみられます。家賃は月l万2800円でした。

母親はパートで働き、月収は約7万円だったといいます。収入はこの他、児童扶養手当の約5万円。就学援助を受けていました。「行政の適切な対応があれば、悲惨な事件にならずにすんだはずだ」。日本共産党の丸山慎一千葉県議は語気を強めます。
「県が機械的に滞納した母親への事務手続きを行ったことが、事件につながったのではないか」

滞納による県の事情聴取通知が届いた12年3月以降も母親は、入居許可の取り消し処分(同年3月)後の同年4月までの約1年間、数回にわたって合計8カ月分の家賃を支払っていました。

丸山県議による県住宅課への聞き取りで、母親の家賃納入を考慮せず、同課は滞納整理事務を行っていたことが明らかになりました。

問題はこれだけではありません。
丸山県議は「母親の年収をみれば、県営住宅の家賃減免制度の対象になり、家賃は5分の1になっていた。減免されていれば、それまで払った家賃分で滞納は一掃されていたはず。今回、その措置がとられていなかった」と指摘。「多くの県民が減免制度を知らない。県は周知徹底すべきだ」と強調します。

三浦真清(しんせい)党市議は「県と市の連携が取れていなかったことも問題だ。県が家賃滞納について市に伝えていれば、市は別の手だてが取れていたのではないか」といいます。

保護申請つながず

銚子市の越川信一市長に申し入れをする日本共産党市議団

13年4月、市の保険年金課を訪れた母親に同課職員は、生活保護をすすめ、隣接する社会福祉課を紹介。同課職員は生活保護のしおりを母親に手渡し、20分程度、説明しただけでした。

田中相談室長は「保険年金課職員が生活保護を紹介したのだから、担当課は説明だけで終わらせず、保護申請につなげるべきだった」と指摘。笠原幸子党市議団長は「ていねいに事情を聞き取らなかったのは、『水際作戦』そのものだ」と批判します。

党市議団は9月30日、市に生活保護の申請書を窓口に置くことやケースワーカーの増員などを要望。越川信一市長は、ケースワーカーの増員と10月1日から申請書を窓口に置くこと、県との連携の検討などを約束しました。

もどる