給食なくさないで=千葉夜間定時制17高校
生徒ら「経済的に困る」

しんぶん赤旗 2018.3.2

昨年11月、千葉県教育委員会は、夜間定時制高校(17校)の給食を2018年度から廃止する方向を示しました。これに対し、生徒や先生からは「大事な給食をなくすな」という声が上がっています。

円グラフ、給食を続けてほしい84%、なくていい10%、どちらでもいい3.4%

県教委は廃止理由として勤労青年が減少し、コンビニやファストフード店で食事を買う傾向が強まり喫食率(給食利用者の割合)がこの間、下がってきたことなどを挙げています。

県教委は、「試行的廃止」などと言って、15年度から2年間で5校の給食をなくしてきました。しかし、生徒からは「給食を復活させてほしい」という声が上がっています。

昨年10月に「千葉県夜間定時制高校の給食を守る会」が行ったある高校のアンケートでも、「給食を続けてほしい」と回答した生徒が84%にのぼります。

教育の予算必要

高校生からは、「仕事をしながら学校に行くぶん、私たちにはなくてはならないもの」「おいしいし栄養があるから」「値段が安価なため」「給食がなければ経済的に困るし、食事の供給の場がなくなってしまう。教育に県の予算を確保すべきだと思う。定時制の切り捨てに反対する」など、切実な声が寄せられています。

定時制高校の教員で同会世話人の三尾敬次(みお・けいじ)さん(61)は、県教委が公表している「学校給食実施状回等調査」でも年間を通じての喫食率は年々低くなる一方、同年5月1日の調査で77.1%に達したように、年度初めのころの喫食率が高いことをあげ、「生徒たちは給食を必要としています」と話します。

この間の喫食率低下の背景には、「夜食費補助」が08年に廃止され、経済的に苦しく、さまざまな家庭事情を抱える生徒が多い夜間定時制高校では、給食費(1カ月約6000円)が重くのしかかっている問題があります。

食育にも優れる

バイト先の都合で登校時間に間に合わなかったり、長期欠席者になる生徒もいます。また、前月に1カ月分の前払いができなければ、翌月まるごと給食が食べられないことも喫食率を下げる要因です。

現場の先生である三尾さんは、こうした実情の把握や、現状に応えた給食に改善しなければ「意味がない」と言います。給食は1食300円程度で食育にも優れています。コンビニなら、おにぎり2個と飲み物しか買えません。栄養士がついて、栄養管理された料理が適温で提供されるなど、気を配った給食が出されることで、周りにフアストフード店やコンビニのある高校でも年間の喫食率が6割、7割に近い学校もあります。

学校離れに不安

三尾さんは、給食は生徒同士や教員にとって「同じ空間と時間」を共に過ごせる大切なものだと言います。「日本語が上手ではない生徒も、給食時の生徒同士の会話を通して上達します。不登校だった生徒のコミュニケーションの場としても、教員にとっても生徒の状態を把握するための大切な時間になっています」

さらに、県教委の打ち出した方向について、「給食を奪われることは、いままでやってきた生徒との関わりを否定されているかのようです。給食がなくなることで生徒が学校から離れてしまうことを一番恐れています」と憤ります。

日本共産党の岡田幸子県議は、廃止ありきで進む県教委の姿勢を批判し、「17校の給食復活は1億円程度でできます。なくすべきではありません」と指摘します。

「守る会」では、給食廃止の撤回と給食の実施を県教委に求めています。1月12日には、夜間定時制高校の給食存続を求める請願を県教育長宛てに提出しています。

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