志位委員長 三輪知事候補の応援演説全容

2013.2.27 憲法がいきる明るい千葉県をつくる会

千葉県知事選挙に立候補を予定している三輪定宣・千葉大学名誉教授を押し上げるため、日本共産党の志位和夫委員長が、2月23日に津田沼駅頭でおこなった演説を紹介します。文責は「明るい会」事務局にあります。

みなさん、こんにちは。ご紹介いただきました志位和夫でございます。

きょうは、三輪定宣さんの応援にまいりました。三輪さんが立候補されたとうかがったとき、すばらしい方が決意してくださったと、感謝の思いにかられました。どうかよろしくお願いいたします。

三輪さんと現知事との一騎打ち

今度の知事選挙の構図は、「明るい会」の三輪定宣さんと、森田健作現知事との一騎打ちですから、争点ははっきりしてきております。

みなさん、4年前を思い出してください。現職知事は知事選挙で、自民党の支部長を務めながら「完全無所属」といいました。そうやって県民をだまして当選し、公職選挙法違反で告発を受けました。こういう知事をもう一回選んでいいのかが、問われているわけです。今度の選挙でも相手候補は、「無党派」だと言って宣伝しているようですが、この4年間を見てほしい。まぎれもない「自民党型知事」だったことが、明々白々になるのではないでしょうか。

毎日新聞が4年間の検証をやり、こう書きました。森田現知事のスタイルについて、「経済界の考えを主要政策に色濃く反映し、自民党内の人脈で公共事業予算を確保しようとする森田氏のスタイルは、高度経済成長期以降、長く続いた千葉の開発型行政に似ている」。似ているなんていうものではありません。そのものズバリです。相手候補は、無党派どころか、全国でゆきづまって破たんしてしまった、古い古い「自民党型政治」そのものの県政です。もう、「さようなら」を告げようではありませんか。

三輪定宣さんは、40年間にわたって千葉大学などで教鞭をとられ、様々な教育問題にとりくむとともに、千葉県の自治体問題研究所の理事長として、地方行政にも明るい方です。先ほど三輪さんに、「三輪さんの教育信条を一言でいうと何ですか」と尋ねましたところ、「個人の尊厳」ということをいわれました。一人ひとりの子どもさんを個人として大切にして、その人格の完成をめざす。これが本当の教育だという信念で、がんばってこられた。生い立ちをうかがいましたら、新聞販売店に住み込んで、働きながら大学に進学したということを先ほどお話しされました。東大を受験した時は、3日間連続で朝刊を配って、走って受験会場に行って、試験が終わったら走って仕事に戻って夕刊を配った。3日続けてやったそうであります。

みなさん。そういう苦労をして学問を身につけて、働く者のためにがんばってくれる。そして「お金の心配なく学べる社会をつくりたい」ということを原点にしてがんばっている三輪さんこそ、人格、識見ともに最良の知事候補ではないでしょうか。どうかよろしくお願いいたします。

三輪さんとともに「3つの改革」すすめ「県民が主人公」の県政を

私は今度の選挙で、三輪さんとともに「3つの改革」を一緒になってすすめて、「県民が主人公」の県政をつくろうということをお訴えしたいと思います。

第1は、やはり福祉・教育最優先の県政への改革です。自治体というのは何のためにあるのか。地方自治法にも書いてあります。住民福祉の機関です。ところが千葉県は、ここが一番おろそかにされてきました。千葉県の住民税は、人口一人当たりで全国4番目です。みなさん方は、全国で4番目に高い税金を払っているのですから、福祉も4番目で当たり前です。ところが民生費という福祉費は、全国47位です。下がない。しかも最下位をなんと11年間続けているのです。教育費は44位です。一番大事なところにお金を使っていない。

そういうことを続けているとどうなるか。例えば特別養護老人ホームです。いま大変ニーズがあります。ところがその定員の数が、全国47位になってしまうのです。待機者の方が2万3000人です。2年間で2000人以上増えました。待機者のうち、自宅で一人暮らしをされている方が3518人、高齢夫婦だけが2145人。みなさん。介護を必要とされる方が、一人ぼっちで数千人という単位で取り残されているなど、まともな政治ではありません。

親の介護のためにやむなく仕事を辞め、親の年金で生計をまかなうというケースもあちこちで起こっています。一刻の猶予もならない事態ではありませんか。この間、日本共産党の県議団と県民のみなさんの運動で、2009年度から1ベッドあたりの整備費補助金が、230万円から400万円に引き上がり、整備がすすみました。ところが知事は、来年度予算からこれを300万円に減額してしまう。こういう冷たい仕打ちをやっています。しっかり予算をつけて、待機者ゼロの千葉県をつくろうではありませんか。

みなさん。国の政治を見ますと、社会保障をバッサバッサと切る動きが強まっているのです。消費税を上げたうえに、社会保障まで悪くする。いま年間1兆円の社会保障の自然増がある。当たり前です。お年寄りが増えているのですから。自民党の幹部が、それを削り込むといいだしました。あの小泉さんの時代より、もっとひどいことをやろうと、石破さんという幹事長がいいだしました。そうしたら麻生さんという副総理が、「お年寄りはさっさと死ねるようにしてもらいたい」という、心無いことをいいました。

まず、生活保護費が削られようとしています。これは生活保護を受けている方だけの問題ではない。保険料や保育料や、あるいは最低賃金にも連動し、貧困底なし社会をつくってしまう。これは、絶対に反対です。生活保護からはじまって、介護、医療、年金、子育てなど全分野を悪くしようとしている。私たちは国政でがんばりますが、こういう時こそ自治体の出番ではないですか。国がひどい社会保障の切り下げをやってきたら、三輪さんにがんばっていただいて、特養ホームを増設する。保育所の待機児童をただちに解消する。小中高の30人学級をすすめる。「福祉と教育日本一」の千葉県を、三輪さんを先頭につくろうではありませんか。

巨大開発頼みからくらし応援の県政への改革

第2は、巨大開発頼みから暮らし応援への県政の改革です。国では、安倍自公政権が復活しまして、大型事業、ムダな大型事業の全面復活がやられようとしています。高速道路をどんどんつくる。大きな港をどんどん掘る。こういうやり方が、大手を振って復活しようとしています。

国がこうなったからということで、現職知事も二人三脚でムダ遣いへの暴走を始めようとしています。たとえば八ツ場ダムです。八ツ場ダムというのは、水余りで必要のない、治水の面でも不要だということがハッキリしています。ところが、この八ツ場ダムの建設に総事業費9000億円、千葉県の負担だけでも760億円。この建設推進のために、現職知事は国土交通省に、「一刻も早く完成するよう、最大限の努力をしてくれ」と尻を叩いている。それから道路の問題です。私たちは道路全部に反対ではありません。しかし、生活道路とか通学路の整備は二の次、三の次にして、3つの巨大道路の建設に突っ走ろうとしているのです。東京外郭環状道路、首都圏中央連絡道路、北千葉道路の3つに、2757億円を注ぎ込もうとしています。

「なぜそんなに熱中するの?何でそんなに高速道路ばかり造りたいの?」。そう聞きますと、現職知事はこう答えています。「大動脈、圏央道をつくれば、モノ、人が流れて経済が活発になる。道路をつくれば車が流れる」。みなさん。これは典型的な「ゼネコン病」の症状が現れているではありませんか。「ゼネコン病」というのは始末が悪いのです。需要があるからモノをつくるのではないんです。「モノをつくれば需要が生まれる。道路をつくれば車が走る。港をつくれば船が来る。空港をつくれば飛行機が来る」。この逆立ちした症状が、ハッキリ現れているではありませんか。

みなさん。いまのデフレ不況をどうやって解決したらいいのでしょうか。ムダな公共事業にお金をどんどんつぎ込むようなやり方は、例えますと、札束に火をつけて燃やして暖をとっているようなものです。瞬間的に暖かくなっても、すぐに消えてしまって、景気の役に立ちません。借金の灰が残るだけです。そうではなくて、デフレ不況を打開しようと思ったら、働く人の賃金を上げていく。正社員でみんなが働けるよう安定した雇用を増やす。これこそ、政治が一番力を入れなければならないのではないでしょうか。

私たちはこの間、アピールを出しまして、政府や労働界、経済界に働きかけております。大企業は、巨額の内部留保を持っていまして、260兆円ものお金をためこんでいる。全部出せなんていいません。たった1%を取り崩せば、8割の大企業で月額1万円の賃上げができます。中小企業にきちんとした下請け代金を払えば、中小企業で働いている方の賃上げもできます。こういうことに熱心にとりくむことこそ、政治の役目だということをいいたいと思います。

三輪さんの政策というのは、暮らしを守るとともに県の経済を良くし不況を打開していく上でも、すばらしい力を持つものだと思います。みなさんの家計を応援し、中小企業のみなさんの営業を応援し、不況から脱出しようというのが三輪さんの掲げている政策です。みなさん。三輪さんを先頭に立てて、中学校3年生までの医療費を無料化し、国保料は1世帯1万円引き下げをやって、返済不要の給付制の奨学金をつくって、家計の負担を軽減して景気を良くしようではありませんか。

三輪さんが指摘しているように、千葉県では大企業に、たった1社で最大70億円もの誘致補助金が出ます。ところが地元でがんばっている商店街のみなさんには、1商店あたり6万円しか出ない。この逆立ちしたお金の使い方を正して、中小商工業、地場産業、農漁業を応援し、地域経済を三輪さん先頭に、一緒に立て直していこうではありませんか。

そして、公共事業というのだったら、小中学校や公共施設の耐震化、生活道路や通学路の整備、住宅リフォーム助成、こういうところにお金を使うべきです。地元の建設業者さんに、直接仕事が回る生活密着型の公共事業に、大型開発から転換させていこうではありませんか。三輪さんに知事になってもらって、この千葉県から、デフレ不況打開に道筋をつけていこうではありませんか。お力をお貸しください。

県民とともに国の悪政に立ち向かう県政への改革

第3の改革は、県民とともに国の悪政に立ち向かう県政に改革していくということです。国が県民の利益に背くまちがった政治をやったら、県民のみなさんの暮らしと命を守る防波堤として、もろ手を広げてみなさんを守ってこそ知事といえます。そういう仕事こそ、知事はしっかりやるべきではないでしょうか。

現知事の行動を見ていますと、どの問題でも一言でいって、「お上のいうことに文句はいいません。国いいなりで従います」です。暮らしのかかったどんな大事な問題でも、いっさい国にモノをいえない知事です。

[消費税増税]

例えば消費税の増税です。このままいくと、来年上げられる危険が出てきましたが、増税の根拠は崩れてしまっているのです。増税勢力は、「社会保障のためだ」といいましたでしょう。ところがいま、「国民会議」というところでやっていることは、生活保護の切り捨てから始まって、お年寄りの医療費を上げる、介護の負担を増やす、年金の受給資格年齢を先延ばしする。悪いことばっかりです。「一体改悪」ではないですか。また、増税勢力は「財政危機が大変だからだ」といっていたのに、その人たちがいまやっていることを見てください。消費税で税収が多少入ってくるので安心したのか、先ほどいった大型公共事業、大型道路の建設、大型港湾の建設に、10年間で200兆円も「国土強靭化」と称して使おうとしているではありませんか。その上に、このデフレ不況下での消費税増税は経済にとっても自殺行為です。全部ことごとく根拠は崩れている。三輪さんに勝っていただいて、「消費税増税NO!」の審判を、この千葉県から国会に突きつけようではありませんか。

この問題で、現職知事はだらしないですよ。共産党の丸山県議の質問にたいする答弁で、「この税金は公平な税金だから、ぜひ拡充したい」といったのです。税金の公平というのは、所得の少ない人には少ない税金、お金持ちにはたくさん払ってもらうのが、税金の公平でしょう。いちばん不公平なのが消費税ではないですか。みなさん。1989年の千葉県知事選挙では、「明るい会」の石井正二さんが78万票45%を獲得し、消費税を導入した竹下内閣を退陣に追いこみました。「明日の天気は変えられないが、明日の政治は変えられる」という名文句が流行り、この千葉から大変な激動が起こりました。三輪さんを勝たせていただいたら、消費税増税は止まります。ぜひ勝利のために力をお貸しください。よろしくお願いいたします。

[TPP参加]

TPPの問題についてもいわなければなりません。千葉県は農業産出額全国3位です。農業大県です。TPPに入ったら、お米の9割、畜産の6割がなくなってしまう。食の安全や国民皆保険も壊されるという大問題です。きょうの未明、日米首脳会談がワシントンでおこなわれ、オバマ大統領と安倍総理が会談をおこない、TPPで非常に重大な約束が交わされました。事実上、TPP参加に向けて大きく踏み出す合意が交わされたのです。安倍首相はTPPについて、「聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になった」といって、今後交渉をすすめていくという、前のめりの姿勢をはっきりさせました。しかし、日米の共同文書をよく読んでみますと、こう書いてあります。「すべての物品が交渉の対象にされる」。それから、「TPPのアウトラインにおいて示された協定を達成していく」。これが曲者なのです。「TPPのアウトライン」とは、既にTPP交渉国で合意したものですが、ここには「例外なき関税撤廃」と「非関税障壁の撤廃」が書いてあるのです。「その目標を達成することを確認する」と取り交わしていながら、「聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になった」というのは、国民をあざむいてTPPに引き込むものであって、断じて認めるわけにはいきません。

みなさん。この問題でも、JA千葉中央会のみなさんが、「県としても反対してくれ」と県知事に何度も訴えたわけですが、現知事は「反対」といわないのです。わが党の岡田県議の質問にたいする答弁は、「これは政府が責任をもってやることで、私は知らない」という、無責任な答弁をやっている。しかし、どこの知事さんも、保守の知事さんでも、みんなモノをいっています。全国農業生産物1位の北海道の高橋知事は、野田さんが北海道まで行ったときに、「断固反対です」とハッキリ伝えています。オール北海道の声を伝えています。全国2位は隣の茨城県ですが、この知事さんはJA茨城の要請も受けて、「TPP参加は大変むずかしい」。「OK」とはいわないのです。ところが3位の千葉県知事が、「それは国の仕事だからどうぞ勝手にやってください」。情けないではありませんか。三輪さんに知事になってもらって、「TPPは断固反対」と言ってもらおうではありませんか。

[原発問題]

それから、原発問題も大問題です。放射能汚染は県内でも大変な被害をもたらし、私も質問で取り上げました。放射能を心配して県外に引っ越したというお話も、先ほどありました。ゴミ処分場で発生した高濃度の放射性セシウムで汚染されたゴミの焼却灰が、処分方法が定まらないという問題があります。「原発ゼロ」の運動が県内でも大きく広がって、船橋でも、私も参加しましたが、反原発デモがやられました。

県議会でもこれが問題になり、答弁を求められた現知事は何といったか。「エネルギーの安定的な確保のためには、ただちに原発をなくすことはできません」。原発にしがみつく情けない態度です。「現実性がない」というのです。しかし、原発を推進することこそ現実性がないと思います。原発を推進するということは、どこかの原発を再稼動させるということでしょう。再稼動できる原発なんて、全国どこにもないではありませんか。どこも、直下に活断層が走っているではないですか。原発にしがみつくことこそ、非現実的なのです。「原発即時ゼロ」こそ最も現実的であり、これを三輪さんにやってもらおうではありませんか。よろしくお願いいたします。

[憲法問題]

最後にもう一点、憲法の問題を申し上げたい。いま安倍政権のもとで、憲法9条を取り払い集団的自衛権を行使できるようにして、アメリカと一緒に海外で戦争できる国に日本をつくり変えようという動きが起こっています。大問題であり、県議会で共産党の小松さんが何度も聞きました。しかし知事の答弁は、「これは国会において議論されるべき問題だ」。これも「私は知らない」と答えました。何度聞いても、「9条を守る」とはいわないのです。

加えて、憲法に関わる民主主義の問題として、相手の候補は「教育日本一」といっていますが、見過ごせない大問題があります。大阪で、体罰によって生徒さんが自殺するという痛ましい事件が起こりました。体罰というのは暴力です。学校教育に絶対あってはいけない。学校から根絶、追放しなければならない暴力です。ところがこの問題について、現知事が何といっているか。「愛の鞭は体罰とは違う」「教師が手を上げないとわかれば、悪いことをした子どもが教師のいうことを聞かず、図にのることもある」。手を上げなかったらいうことを聞かないのだから、叩いてもいいんだということを平気でいっているのです。また知事は、日本教育再生機構というグループの代表委員を務めています。再生機構というのは、戦前の侵略戦争を賛美し、戦後の民主教育を否定する流れですが、同じく代表委員を務めている野口芳博さんという人を千葉県の教育委員に推薦しました。

この野口さんという人は、著作のなかでこういっています。「どうしても謝罪しなかったらどうするか。ひっぱたくのである。叩きのめすのである。体罰を断行するのである」。恐ろしいですね。こういう人を教育委員にしないでくれと、女性団体のみなさんが知事に請願したにも関わらず、この人を教育委員につけて、いま大手を振っているそうであります。これだけ体罰が大問題になっている時に、このような考え方を持つ知事や教育委員には、お引きとり願おうではありませんか。

みなさん。冒頭にも申し上げましたが、三輪さんの考え方は全く違っていますね。「個人の尊厳」「人格の完成」。一人ひとりの子どもたちを人間として大切にし、その尊厳を守り、みんなが主権者として成長できるようにする。それこそが教育なのだという信念をお持ちの方です。この方に、憲法を守り教育を良くする先頭に立ってもらおうではないですか。どうかご支援よろしくお願いいたします。

みなさん。「3つの改革」ということを申しました。この願いを託せるのは三輪さんをおいて他にいません。そして三輪さんの勝利を願っていま、広い共同が起こっております。先ほども、たくさんの方が推薦のごあいさつをされました。JAや漁協の方々ともずっと懇談をして、たくさんの方が期待の声を寄せてくれている。「とにかくいまの県政は変えなきゃダメ」という声が広がっていると、うかがっております。その声を一つに集めて、三輪知事をぜひ誕生させようではありませんか。みなさまの絶大なご支援を重ねてお願い申し上げまして、私の訴えとさせていただきます。ありがとうございました。

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